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ページ38

金子隆行side

ベンチのところに行くと、Aちゃんがポツンといた。
なんだか、いつもより、小さく見えた。


「ここ落ち着く?」

A「ごめんなさい・・・・」

「謝らなくていいんだ。怒りに来たわけじゃない。」

怒られると思ってたのか。
相当な頑張り屋ということはよくわかった。

言葉は見つからない。でも思い切っていってみることにした。


「つらいことないか。」

A「ありません。」

「正直に言ってほしい。
Aが治療がんばってるのは先生も看護師さん。お母さんもお兄ちゃんもみんなわかってるよ。
でも、つらいのに何も言わないで1人で我慢しているのは心配なんだ。
1人で我慢しないでほしい。言いにくいかもしれないけど、怒らないから。」

A「・・・・お母さんもお兄ちゃんも元気ないのが嫌。それって、私のせい?
私が病気になるから。だから、頑張って、2人も元気になるように。」

・・・・なんて、親孝行な子なんだろう。
俺がAぐらいの年の時なんてそんなこと考えたことなかったぞ。

そして、心が痛くなった。

「それは違う。Aは何も悪くない。
お母さんもお兄ちゃんもAのことが大好きだから。
病気になったのも誰も悪くない。」

A「本当?」

「うん。本当。

・・・・その気持ちお母さんとお兄ちゃんに先生と一緒に伝えようか。」

A「うん・・・・」


それで、みんな前向きになってくれればいい。

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作者名:さくらさん | 作成日時:2018年10月22日 19時

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