小さな診療所second９ (ページ37)

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金子隆行ｓｉｄｅ

川「薬の時間だよ。」

A「はい。」

川「じゃあ、水ね。」

川「飲めた？えらいな～」

A「(コクリ)」

川「じゃあ、少し痛いのがんばるよ。血糖値はかるからね。」

A「(コクリ)」

治療が始まった。
治療は点滴とインシュリンの練習。食事療法が中心。

治療を嫌がるそふりどころか、素直すぎて、心配。
「家に帰りたい」とも言わないし、大丈夫かなぁ・・・・

川「うん、ばっちりだね！
大丈夫？なんか困ってることない？」

A「大丈夫です。」

川「そっか。わかったよ。何かあったら教えてね。」

川「あ、金子いたんだ。」

「ついつい気になって。」

川村さんが出てきた。気づかれた。

川「なかなか難しい・・・・」

「ですね・・・・頑張りすぎてるのが気になります。」

川「そうだな・・・・言わないだろうけど、このまま爆発しちゃうまでほっとくのもね・・・・
どうすればいいのかな。」

「時間ください。考えます。」

川「俺も考えてみる。」

厳しいものがあった。
聞いても言わないんだ。がんばっちゃう・・・・それに気づいて対応したいけど、方法がわからない。

川「Aちゃんが、ベンチで泣いてた。」

そう、川村さんが教えてくれたのはこの日の夕方だった。

「俺、行きます。」

考えはまとまってないけど、行くしかない。