小さな診療所second７ (ページ21)

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興侶亮ｓｉｄｅ

？「吉田Aちゃん、１歳です。
咳が止まらないで呼吸が苦しそうだということで救急搬送です。」

救急部からの呼び出し。
１歳の女の子。内科しかいない救急部では対応が難しいということで呼び出された。

「酸素５リットルで開始。ルートとれる？
Aちゃん。わかるかな。もしもしさせてね。」

そういって、胸に聴診器を当てようとした時だった。

・・・・にげた。

その逃げ方が普通じゃなくて、おびえてるように見えた。

「家族に連絡取れてる？」

？「付添いは母親なんですが・・・・」

「どうした？」

？「なんか違和感があって・・・・」

「・・・・高松。母親に話を聞いて来て。」

高松「は、はいっ！！」

家族環境に問題があるような気がした。
研修医の高松に話を聞いてくるように指示をして、とりあえず、Aちゃんの治療にかかろうとした。

「寝かせようか。
Aちゃん。ねんねしような～」

なかなか寝なかった。触るとおびえる。待つことしかできなかった。

しばらくして、ねたから、処置をした。

喘鳴が聞こえた。
吸入をしてもなかなかよくならなくて、サチュレーションが下がる一方で挿管して、呼吸器をつけた。

・・・・高松が遅い。どうしたんだ。

「よし。落ち着いた。小児病棟のナースステーションの前の部屋あいてたらそこに入れる。」

そういって、動こうとした時だった。

高松「どこ探してもお母さんがいませんっ！！」

「はぁ！？」

？「さっき聞いた時、母親って言ってましたよ・・・・」

どういうことだよ！？

感情を抑えながら、Aちゃんのためにどうすればいいかを考えた。