小さな診療所second７ (ページ2)

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本間ｓｉｄｅ

朝ごはんの時間。
容態がいい子はみんな、プレイルームで食べる。
嫌いなものを器用にお皿からよけてる子やおかわりくれと騒いでいる子。
遊び始めてる子。看護師や保育士が見ている。

その中で興侶さんがAちゃんについて、食べさせている。
食べる様子は見られない。

興侶「ゼリーは？おいしいよ。」

A「・・・・」

興侶「１口だけ味見してみようか。はい、あーん。
どう？
あ！ちょっと、はやと。１個でもいいからトマト食べて。」

は「やだっ！！」

暴走少年、はやと。腎臓病で透析をしている。
何かとAのことを気に掛ける。

興侶「やだじゃないっ！好き嫌いしてもいいから、１個は頑張って食べて。
お兄ちゃんは１個ぐらい、嫌いなものでも食べるよ。」

は「食べるよ！」

興侶「よし、えらい。

おっ、Aがんばったね。
あ、本間。はやとに薬飲ませてから透析連れて行って。はやと、ちゃんと飲むんだぞ。」

は「お兄ちゃんだもん！！」

興侶「ほんとか～やくそくだぞ～」

Aちゃんが食べたのはゼリー３口。
それでも食べる量が少ない彼女にとっては食べた方だという。

興侶「あ！！体重増えてる、順調！！
明日は浅野が朝いるから、俺ははやとの会議に安心していける。
食べる量が少ないからな・・・・昔、いろいろあって、胃が小さくなっちゃったから。
幸い、野菜ジュースは飲んでくれるから栄養は取れてる。
ただ、もっと体重は増えてほしいから、おやつでもいいから食べさせてみてる。
なかなかうまくはいかないけどな。
だけど絶対、食べないと大きくならないよとか脅すのは禁句な。

昔のこと思いだして発作おこすから。だいたい頑張ってるから、言えないよ。そんなこと。」

そうだよな・・・・
俺もいえねぇな。