小さな診療所３８ (ページ22)

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山本将平ｓｉｄｅ

賢「次の患者さん呼びますよ？」

「あ、待ってください。」

賢「またカメラですか。患者さんに見せるのは十分でしょ。」

「いやいや、そうじゃなくて、資料確認しないと。
お母さん、入れないでもらっていいですか？」

賢「話は聞いてるしそのつもり。健太、お母さんの面談はいるって言ってるし。」

とある精神科・・・・どちらかというと発達外来で子供が多い。
俺は精神科の医師。賢さんは心理士。２人でタックを組むことが多い。
親係の健太は研修医。どちらかというと助手的な、感じ。

俺の趣味はカメラで写真撮ること。暇さえあればカメラで風景を撮りまくるので賢さんにあきられている。

次の患者さんは高校生で学校拒否・・・・古藤Aさん。
知的障害で手帳はあるのか・・・・支援学級からの支援学校か。ここの受診は初めて。

よし。

「患者さん呼んでください。」

賢「はいよ！！」

A「おねがいします・・・・」

「古藤Aさんですね。」

A「はい・・・・」

入ってきたけど、元気ないし、目にはクマ・・・・

「担当することになった、医師の山本将平です。」

賢「心理士の高橋賢です。」

A「・・・・」

「緊張してるかな？大丈夫ですよ。
何か趣味はありますか？」

A「・・・・バレーボール。」

「お！！先生もバレーやってる。」

賢「先生もだよ！！リベロなんだけど、Aさんのポジションは何？」

A「リベロです・・・・」

賢「一緒だね！」

「先生はウイングスパイカーだよ。」

緊張は少し和らいできたけど、緊張も症状の１つだから、それも探ってみようかな。