小さな診療所２６ (ページ21)

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今村貴彦ｓｉｄｅ

久「じゃあ、好きなことは何？」

A「・・・・美術。絵を描くことです。」

久「そっか！絵を描くの好きなんだね～」

あれから、１週間。面談しても何も話してくれないAを説得して、校内のカウンセラーの久原と話をする。俺も同席する。

A「・・・・はずかしい。」

久「ん？どうした？」

A「体育ごときで過呼吸おこすの恥ずかしい・・・・」

久「先生はそうは思わないけどな～誰でも苦手なことあるし、調子悪くなることもあるからさ。
先生たちはAさんを守りたいんだよ。怒っているわけじゃない。」

「そうだよ。決して怒っているわけじゃないよ？」

A「・・・・(涙)」

久「・・・・手ごわいですね。」

「うん。でも、恥ずかしいって言ってくれたのは一歩前進だよ。
俺や関田と面談しても何も言ってくれないから・・・・山内から聞いたら、たぶんAが安心する場所はなくなるし・・・・」

面談が終わって、久原と話す。
やっぱり厳しいのはわかってる。

久「う～ん。でも寝れてないのもそのせいなんっすかね。目にクマができてる。
医療機関とも連絡取った方がいいっすね。俺の友達が・・・・伊賀って言うんですけどそいつがはたいてる病院に連絡してみます。」

俺、気が付かなかった。やっぱり専門家は違うな。