くまのぬいぐるみ【Nozomu.K】

誰？ ページ4

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「…ちょっと！何するんですか！」




イケメンに抱き締められた、なんて浸ってる場合じゃない！


その人から離れるように、突き飛ばした。





「…え、何？ 俺のこと、分かれへんの？」





わかるも何も、私あなたと知り合いですか？

いや、こんなイケメン会ったこともないし、知り合った覚えもない。





「…え、私、あなたの知り合いですか？」




「えぇぇぇぇぇぇ！！！」





何かのミュージカル見てるんじゃないかってくらい大きな驚き方で、こっちがびっくりする。





「…すいません、えっと、どちらさんでしょうか？」




「のんちゃんやん！の・ん・ちゃ・ん！」




「……のんちゃん？」




「そう！Aちゃんの側にずっとおったやん！」





はてはて、ﾞのんちゃんﾞという知り合いは、私、いた覚えがないのですが、






｢……へ？｣




「これ！これ見ても思い出されへん？」





そう言って、ﾞのんちゃんﾞという男は私に手首を見せてきた。



その手首には綺麗に結ばれたピンクのりぼん。

それをよく見てみると、りぼんの端っこにアルファベットでﾞNONﾞの文字。




これ、どっかで見たことあるような…、






「え、もしかして、ぬいぐるみの、え、くまのぬいぐるみの、…のんちゃん？」




「そう！やっとわかってくれた？」






頭の中はどういうことか整理できないと言わんばかりに、パニック状態。





「え、いや、待って、ぬいぐるみちゃうし！こんなおっきくなかったし！もろ人間やん！」




「神様にな、ずっとお願いしとってん！


Aちゃんと話できるようになりたい、ずっと側にいたいって、


でも、Aちゃんのお母さんが俺を捨てて、もう話すどころか側にもいれない！って思ったら急に力が沸いて、



ほんでな、神様に会って、お願いしてな、人間にしてもらってん！」




笑顔で話す目の前の人。





｢……そんなん、どうやって信じたらいいん？



信じる人なんている？｣






そう言うと、少し困ったようにﾞのんちゃんﾞだと名乗る男は話し始めた。






｢じゃ、これ話したら信じてくれる？



…Aちゃんに言われた、秘密の話。｣







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