温もりの朝 ページ8
・
「……ん、」
スマホのアラーム音で目を覚ます。
あー、起きなきゃいけないのに、身体が動かない。
まだぬくぬくのお布団で眠ってたいの。
そんなことを思いながらアラームを止めようとスマホに手を伸ばす…、
ん?身体が本当に動かない!
なんで?金縛り?
じゃなかった。
「…な、なんでええええええ!!!」
昨日リビングのカーペットで寝ていたはずののんちゃんが、私の身体に腕を巻きつけてすやすやと眠っているではないか。
「ちょ、ちょっと!」
「…ん、」
まったく起きようとしないのんちゃんの腕をなんとか払ってアラームを止める。
いまだ呑気に寝息をたてて寝ているのんちゃんの顔を見つめる。
なんでこんなことになってんだ?
昨日の夜は確かに別々に寝たはず。
「一緒に寝たいけどさ、さすがに人間なっちゃったからなー、こういう時って別に寝た方が良いよな?
俺、下で寝るわー。」
確かにのんちゃんはそう言って、ベッドのすぐ真下、カーペットの上でブランケットをかけて、昨夜眠りについたはず。
寝起きの働かない頭を頑張ってフル回転させても答えは出なくて、
疑問を抱えながら、とりあえず仕事だから起きないとと仕度を始めた。
しばらくして、コーヒーとパンというシンプルな朝食を食べていると、大きく屈伸をしてのんちゃんが目を覚ました。
「Aちゃん?」
きょろきょろ周りを見渡し、私を見つけると「おはよう」と満面の笑顔を見せた。
もぞもぞ布団から出ると、さっきの笑顔から一変、なぜかふてくされたように私の前までやって来た。
「起きて隣にいないのは、寂しい。」
「そんなんこっちは仕事やねんから起きなあかんし…、
あまりにも気持ち良さそうに寝てるから、起こすの可哀想やなって思て…、」
「…そうなんや、」
少し照れたように頭をかいて、なんかごめん、ありがとう、とのんちゃんは言った。
それからというものの、私の目の前に座ってにこにこと私が食べる姿を眺めていた。
食べずらいねんけど、と言ったら、
「Aちゃんからどこどこ食べに行ってきた!美味しかったわー!なんて聞くけど、
Aちゃんが食べてる姿なんて大きなってから見たことなかったからさ、
こんな顔して食べるんやってわかって嬉しくてつい、…ね?」
私が淹れた甘めのコーヒーそっちのけで、可愛い顔してこんなことを言われたのだった。
・
846人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まみむ(プロフ) - westtttttt2さん» コメントありがとうございます!最高の褒め言葉を頂けて嬉しいです!更新遅めで申し訳ないですがぜひまた読んでくださいね! (9月17日 20時) (レス) id: d382aa8d24 (このIDを非表示/違反報告)
westtttttt2(プロフ) - くまのぬいぐるみ 最高です!映像化してほしいくらいキュンキュンしてます!続きも楽しみにしてます!! (9月10日 7時) (レス) @page32 id: 9958797b82 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん - 更新頑張って下さい。(リクじゃなくてすみません……) (2019年8月18日 22時) (レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
aoringo(プロフ) - 更新遅くても構いません。まみむさんの体調が1番ですし、どうなるのかな?とワクワクしている時間も好きなので!お仕事頑張ってください。応援しています! (2018年4月8日 23時) (レス) id: 2fc81bdf76 (このIDを非表示/違反報告)
まみむ(プロフ) - 夏さん» 全然気づいていませんでした…ご報告ありがとうございます! (2017年8月24日 23時) (レス) id: 291558e5c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まみむ | 作成日時:2016年3月17日 18時