くまのぬいぐるみ【Nozomu.K】

日常 ページ2

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ミンミンという蝉の声が鳴り響く帰り道。





｢疲れたぁーーー！！｣





誰も周りにいないことを確認して声に出す。

これ、何気にストレス解消なるんだよね。







季節は7月も終わりを迎えようとしていた。

今週の仕事も今日で終わり。




土日は溜まってるドラマやDVDを見てだらだら過ごすのが日課となっているため、今日のうちに土日の食料やら日用品やら買い込んで家に帰った。






夜ご飯も食べ、片付けて、お風呂も入って、今週も頑張った！と早々にベッドへダイブして、いつの間にか眠りについていた。









土日の休みも何も変わらない日常を過ごしていた。



変わったことといえば、久々に部屋の掃除をしたくらい。







でもこれでスッキリした気分になって、




夜、いつもそんなことしないのに、外の空気が吸いたくなって、ベランダに出た。




缶のチューハイを持って、ベランダの柵に腕をかけて、息を吐く。





むさ苦しい暑い夜も、今日は何故か気持ち良かった。





「…わー、月綺麗…」





どこも欠けてない、まん丸のお月さま。





あ、そう言えば『月が綺麗ですね』って、『君を愛してる』という意味になるんだっけ。




そんなこと言われてみたいな。


ま、そんな相手もいないけど。




なんて、自分に笑った。







こんなありふれた日常に、

まさか非日常な生活が訪れるなんて、この時は思いもしなかった。






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