３つ子の日常～１～ (ページ49)

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橙side

りょうちゃんと、照くんから聞く２人の話は想像できんもんばっかや。

黄「昔っからこの地域で１番のヤンチャだったよな。」

赤「いっつも２人揃って先生に怒られてたもんね。」

橙「たつくんも、しょーちゃんも優しいで？」

黄「バレンタインなんて数え切れないほど貰ってたし。」

赤「ほとんど照が食べてたけどね。」

橙「バレンタイン？とか何にも持って帰っとらんよ？」

赤「辰哉も翔太も深夜まで遊んで補導されてたよね。」

黄「あれは俺らも一緒にだったけどな。」

橙「６時にはお家に居るよ？」

ほらな？全部俺の知らん２人やもん。

赤「そういえば、２人のアルバムって見たことある？」

橙「アルバム？そんなんないよぉ。」

黄「じゃ家から持ってくるわ。ちょっと待ってて。」

昔話が盛り上がってきて、２人の写真まで見せてくれるらしい。

なんでか見せてってお願いしても嫌がるんよなぁ。

それが見れるんやったら、たまにはこんな日もええかも。

黄「お待たせ。」

赤「うわぁ。懐かしいね。」

初めて見る学生時代のたつくんと、しょーちゃんは、派手な髪色に制服は着崩して、ピアスもつけとって、いかにもヤンチャですって感じやった。

でも…………

橙「２人ともカッコいい……。」

黄「え？どこが？」

赤「怖くない？」

橙「そりゃ同じ学校やったら怖いかもしれんけど、顔はカッコいいやん。」

黄「この頃、女の子と遊びまくってたんだぜ？」

橙「あはっ。それだけモテてたんやぁ。凄いなぁ。」

赤「修学旅行先でも声掛けてたよね。」

橙「修学旅行…………」

赤「ん？」

橙「えっ？あぁ。なんもないよ。」

どんどんと話す思い出の中に、自分がいないこと、経験したことの無いものが出てきて悲しくなってくる。

俺もこの頃からたつくんと、しょーちゃんと居りたかったなぁ。

赤「でも、ありがとうね。」

橙「なにが？」

黄「２人が大人しくなったの、康二と出会ってからだから。」

橙「そぉなん？」

赤「変なお願いかも知れないけど、これからもそのままの康二で居て欲しいな。」

橙「？よぉ分からんけど、ええよぉ。」