３つ子の日常～１～ (ページ42)

今日:20 hit、昨日:15 hit、合計:491,232 hit

END ページ42

紫side

涙の残る顔で笑ってる康二と一緒にベッドに横になる。

橙「ご飯は？食べへんのぉ？」

紫「お腹空いた？」

橙「んーん。」

紫「なら良いよ。このまま寝ようぜ。」

橙「でも、お風呂も入っとらんよぉ？」

青「明日でも入れっから。」

橙「そっかぁ。」

話すスピードがいつもよりゆっくりだから、もしかしてと思う。

橙「じゃあ、おはなし、しよぉ。」

紫「良いよ。何がいい？」

橙「……こーちゃんの、おはなし、、きいてぇ？」

青「何の話してくれんの？」

やっぱり。

自分のことを名前で呼んでるって事は、相当怖かったんだろう。

なのに話したい事なんてあるんだろうか？

まぁ大人な時より、小さい時の方が素直だから本音が分かるかもしれないよな。

橙「こーちゃんな？雨がきらいやねん。」

紫「うん。」

橙「なんでか、しってる？」

青「知らないなぁ。教えてくれんの？」

橙「ふふっ。うん。」

紫「そっか。ありがとう。」

橙「たつくんと、しょーちゃんはおぼえとる？パパとママが別々に暮らすようになった日。あの日なぁ、雨やったんよぉ？雷も鳴っとってな？そんな日が、パパと２人っきりになった最初の日なん。やからな？雨降ると思い出してまうんよ。２人と出会う前のこと、ぜーんぶ。」

一気に話した康二は泣く事もなく、無表情だった。

紫「教えてくれてありがとう。」

橙「こーちゃん、も、、ママに、あいたかった、、なぁ。」

俺らは親父になんて会いたいとも思わねぇけど、康二とお母さんは会わせてあげたかったな。

青「まさか一緒に暮らしてるなんて思うわねぇだろうな。」

橙「こーちゃ、やっ、ぱ、、めーわく？」

紫「んな事ねぇよ。多分喜んで受け入れてくれんだろ。」

橙「ほんまぁ？」

紫「本当だよ。」

そんなことを話していると、近くに落ちたんじゃね？って思うくらいの今日１番の音と一緒に雷が鳴った。

橙「ふぇっ、、いやぁぁぁぁぁ、！！」

紫「大丈夫、大丈夫だから！」

橙「たちゅくー！しょーちゃー！」

青「ここに居るからな。」

そのまま泣き疲れて、寝てしまった。

青「今度お墓参りでも行くか。」

紫「だな。康二の事も報告しねぇとな。」

そんな約束をして、俺らも眠りについた。