３つ子の日常～１～ (ページ41)

今日:29 hit、昨日:15 hit、合計:491,241 hit

雨の日は・・・１ページ41

紫side

昨日から降り続く雨がさらに酷くなってきた午後。

傘なんて意味を持たず、会社に来るだけで全身ずぶ濡れだった。

紫「阿部ちゃーん。これいつ止むの？」

緑「明日には晴れるでしょ。」

桃「さすが阿部ちゃん！なんでも知ってるぅ！」

紫「佐久間はもうちょっとニュース見ろよ。」

そんな話をしていると、雷が鳴り響いてきた。

桃「うわっ。これ帰れるかなぁ？」

緑「はやく止むといいね。」

２人が窓の外を見ながら話しているけど、それどころではない。

ポケットに入れている携帯が光ってる。

紫「ごめんっ！俺先に帰るわ！」

桃「はっ？ちょっと、この雨の中帰んの？！」

後ろから聞こえてくる佐久間の声を無視して、定時になったと同時に会社を飛び出した。

１階に降りれば、翔太の車が横付けされて待っている。

紫「わりぃ。遅くなった。」

青「いや、俺も今来たとこ。仕事は？大丈夫？」

紫「佐久間と阿部ちゃんが居るから。何とかしてくれるっしょ。」

青「なら飛ばすぞ。」

法定速度ギリギリのスピードで、家まで急ぐ。

家の前で先に降ろしてもらって中に入る。

紫「ただいまー！」

とりあえず挨拶してみるけど、返事はない。

外では未だに雷が鳴り響いている。

リビングではなく、寝室に一直線に向かえば部屋の隅で布団にくるまっている康二が居る。

耳も塞いでしまっているだろうから、布団ごと後ろから抱きしめる。

そのままビクッと反応する身体を抑える。

橙「っ、、たつ、くん？」

紫「うん。ただいま。」

橙「、、ｸﾞｽｯ」

何も言わずに泣き出した康二。

そうこうしてる間に翔太も戻ってきて、２人で布団の中に入れてもらえるか聞いてみると、そっと隙間が空いた。

中に入って両端から抱きしめる。

橙「たつ、くん、、しょ、ちゃ、、」

紫「１人で頑張ったな。」

青「遅くなってごめんな。」

橙「んーん。」

何が原因か分からないし、無理に昔のことを思い出させたくもないから聞いてない。

けど、なぜか雨の日、特に雷が苦手らしい。

部屋の隅で男３人が集まって何してんだよって思うけど、これで安心できるならそれでいい。

橙「んっ、、もぉ、、だいじょーぶ、やよ。ありがとぉ。」

紫「ホントに？無理してない？」

橙「だいじょぉぶ。今日は２人ともずっとおるやろ？」

青「離れたくても離さねぇよ。」

橙「くふっ。それは心強いなぁ。」