愛されたい症候群

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紫side



今日もいつものように男女問わずに俺らの周りに人が集まってるが、気にせずに帰ろうとしてる時にふと見かけた。


俺らと同じ学年の上履きを履いて、靴箱の中を覗いてる人。


見たことがある気もするが、あんまり覚えてない。


それでもこの日はどうしても気になってしまった。


いつもは自分から話しかけるなんてめんどい事はしないけど、気になったものは仕方ない。


ちょうど靴箱の位置が被ってたから丁度いいかなって声を掛けてみた。



紫「あのさぁ……。」



話しかけてみたものの、聞こえてないのか返事はない。



紫「なに靴箱覗き込んでんの？」


紫「てか、靴ないの？」



迷惑かな？とも思ったけど、困ってるとこを見てしまったら聞かない訳にもいかない。



黄「ふっか何してんの？」

紫「いやー、なんか靴がなくて困ってるっぽい。」

青「つかソイツ誰？」

紫「知らない人。」

黒「知り合いとかじゃないんすか？」

赤「確かに見たことないね。」

白「なんかあった？大丈夫？」

桃「ねぇー！この子の靴誰か見てない？」

緑「佐久間、うるさい。ごめんねいきなり話しかけて。」



後ろから他の奴らも話しかけたりしてるけど、なんの反応も返ってこない。

そうこうしてるうちにヘッドホンをつけて足早に俺らの前から立ち去って行った。

なんだよ。もう一足持ってきてるとか準備良すぎじゃね？


もしかしてなくなるの分かってたとか？





…………んな訳ねえか。

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