58.優先 ページ10
「玲王様〜!」
「玲王こっちに来て〜!」
「玲王様、となりあいてるよっ!」
流石、人気者は違う…。
「玲王くんっ♡私の隣に来ない?」
私と繋いでいる手とは逆の手を
彼女に掴まれていた。
「あと、講義が終わったら…
2人きりで勉強会したいな…♡」
あ〜っと…。
私めっちゃお邪魔だよね…。
「…こら、」
「…ひっ!」
緩んだ手から少しずつ遠ざかり、
手を離してもらう作戦は失敗した。
むしろ気が付かれて怒られた。
「悪い、
俺先約が居るからまた今度な!」
「ぇ、先約…?」
女の子もびっくりしているらしい。
そのお嬢様みたいな可愛らしい女の子より優先するなんて、
男友達とか…?
「…れ、玲王さん??」
「ん?」
私が空いている席に座れば、
何故かその隣に座る玲王。
「…先約の人は…?」
「え、お前だろ。」
予約した覚えは1度もないのですが…?
「俺の頭の中ではとっくに予約されてる。」
「被害妄想?」
「使いどころ間違えんな。」
玲王と隣なのは凄く嬉しいけど、
視線が痛い…
「玲王の馬鹿〜…」
「急に悪口だな。」
あんたのせいで女子の視線に殺意が籠もってるのよ…。
「…わり、そこまで考えてなかった。」
やっと気がついたのか、
優しく頭を撫でられる。
「なんかあったら俺が守るから。」
玲王の言葉は、
私の胸をときめかせると同時に
何処か安心できるんだ。
「…ありがとう玲王。」
流石予備校講師。
授業がめちゃくちゃ面白い。
何が面白いのかは上手く言い表せないけれど、
自然と授業に引き込まれていって、
なんだか楽しく勉強できた気がする。
知らなかったことをたくさん教えてもらった。
「Aって、微積の分野苦手なんだな。」
「う〜。私もなんで苦手なのかわかんなくて…。」
積分は計算ミスを連発してしまうからだろうけど…。
「んじゃ、ホテル帰ったら教えてやろうか?」
「…え、いいの?」
「当たり前だろ!」
午後8時までなら、
他の部屋への出入りは許されている。
それまでに帰れば問題ない。
「じゃあ…お願いします。」
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照山紅葉(プロフ) - むぎちゃさん» わ〜!!ありがとうございます!滅茶苦茶嬉しいです🥲今後とも宜しくお願いします〜! (2月16日 20時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - 凄く面白くて最初から一気見しちゃいました(笑)これからも応援していきます! (2月15日 21時) (レス) @page19 id: 2c26ffe894 (このIDを非表示/違反報告)
照山紅葉(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» ありがとうございます!波が激しくてすみません、引き続き頑張ります💪 (2月4日 10時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 更新頑張ってください (2月3日 20時) (レス) id: d8724d6f23 (このIDを非表示/違反報告)
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