授業以外で自分の席にいることが許されないのですがー夏休み編ー【御影玲王】

56.居るはずのない人 ページ8

「…別に恋愛運が良いわけではないのか…。」







偶々広告があった無料占いで


今年の運勢を占えば、




恋愛運が特別良いわけでもなく。






告白なんかされたこともなかったのだが、


今年に入って2人からあんなことを言われ、



内心めちゃくちゃ驚いている。







2人ともあの顔面だし、


モテないわけがないお顔を持ってるのに。



何故私なんだろう。








それに豹馬は、





昔からずっと好きだったと言ってくれた。








彼が私のことが好きだと知らずに、


私は玲王のことを相談していたというわけだ。












改めて考えると、

結構最低なことしてる。




申し訳ないけど、直接謝る気にはなれなくて。



















「Aちゃん？」




「…あ、ごめん。」






隣から声をかけてくる夏ちゃんに気が付かなかった。






「考え事？」




「そんなところ。でも、大したことじゃないよ。」












そうだ、今日は大学のオープンキャンパスの日だった。







２泊３日の泊まり込みで、


１日目と２日目は、予備校講師の特別授業を受ける。








さすが白宝、


夏休みも容赦なく勉強。





希望制だったのに何故私は応募したのだろうか。







「講義寝ちゃったら起こしてね。」


「え、バレないように寝なよ。」


「Aちゃん優しくない。」





だって私も寝ちゃいそうだもん。










２、３時間のバス移動を経て、


とうとう予備校に到着。







バスを降りれば、


ぐっと背伸びをした。












「なんだか修学旅行みたいだよね〜。」



「ガチの勉強だけどね。」



「ホテルで恋バナとかしちゃう？？」


「あははっ、する元気あるかな〜。」





案外ノリノリだな夏ちゃん。


恋バナって言っても話すことなんて…。













…なくはないけど話したくない！！



















「よっ！」







「…！？！？」













後ろから両肩を思い切り叩かれ、



ビクッと身体が跳ね上がる。











「…玲王！？」








犯人はなんと


例の紫髪。






距離が近くてちょっとドキドキする…。










「あら、玲王くんじゃないの。」



「てっきり部活忙しくて来ないのかと…。」








「俺もそのつもりだったけど、

色々あって親に行かされてさ。
















ま、お前に会えたから良いけど。」



















ほら、いつもに増して



ホント狡い…

57.手→←55.またね

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す