授業以外で自分の席にいることが許されないのですがー夏休み編ー【御影玲王】

73.休み ページ25

流石進学校、


夏休みが驚くほど短い。




世の中の高校生は、

みんな『青春を楽しむぞ！！』とか言って

遊んでるんだろうなぁ…




下手したらうちの学校の生徒ですら

勉強しなくても休み明けのテストくらい余裕です〜

みたいなノリで遊んでるかもしれない。





しかし私は違う。



最近模試の判定がいっこうに上がっていない。


医学部は元々他の学部とはレベルが違いすぎて

そりゃそうなんだろうけど…



私に休む暇などない。

毎日朝から晩まで1日中塾に居て、

ずっとお勉強お勉強。



そのせいでまともに親とも話せてない。





そんなふうに、ろくに思い出を作る時間もなく、

いよいよ２学期に突入しようとしている。







だけどその前に…











『12日？』





「うん、お家にいる？」



『いや、夕方まで練習してるかも。

なんか用事？』







玲王は私よりもっと忙しいらしい。






「あ、いや、

迷惑でなければ…会いに行っても良い？」




『え、来てくれんのか！？


多分学校のグラウンドにいるから、

いつでも来いよ！』



「おっけー、ありがとう！」











通話終了のボタンを押す。



















決してサッカーを見に行くわけじゃない。









夏休みが終わろうとしていて、

課題もまだ終わっていないというこの状況。



ピンチ以外の何物でもないけど、

かと言って人の誕生日にケチつけるとか最低だし。







まぁ、課題なんて徹夜すれば終わるでしょう(？)











ついでだし、

サッカー部の人達にも何か差し入れ持っていこうかな〜と


色々考えた結果、



安くで大量生産できるレモンのはちみつ漬けを作ることに。





まぁ、よくあるスポーツ漫画でも

マネージャーとかが差し入れで作っているのを結構見たことあるし

私はマネージャーでは無いが、

やっぱりスポーツしている人にはそういうのが喜ばれるのかな〜って。








色々調べたけど、

レモンの切り方で味が少しずつ変わるっぽい？


でもレモンって、

ちょっと舐めただけで死ぬほど酸っぱいし…

薄めに切った方が良いのかなぁ…



マジで1度も作ったことないから

ちょうどいい味とか切り方とか分からない。




まぁ、沢山作っておけば

少しくらいは良いのができるって信じよう。








そうと決まれば材料を買いに行く。




財布とエコバッグをショルダーバッグに入れて、

家を飛び出した。

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