授業以外で自分の席にいることが許されないのですがー夏休み編ー【御影玲王】

69.オープンキャンパス ページ21

今日は最終日、

オープンキャンパスの日。





「15時にはバスに集合。


時間厳守。守らなかったやつは置いて帰る。

解散。」






先生のそんな冷たいお言葉を聞いては、

みんなそれぞれ散っていく。









「医学部キャンパスはバスから遠いから、

早めに出なきゃだね。」


「そうね、地図見てもあんまりわからないし。」






夏ちゃんの言葉に頷きながら言う。


昨日夏ちゃんと場所を確認しながら計画を立てていたものの、

やっぱり大学の敷地はめちゃくちゃ広くて迷子になりそう。



　


「とりあえず、午前中に医学部は終わるでしょ？

その後はどうする？３時間くらい時間あるけど。」




確かに、午後のことは何も考えてなかった。

医学部キャンパスに向かう足を止めずに、少し考える。




「一旦食堂に行って、

その後ご飯食べる？


一般の人でも使えるらしいよ。」



「マジ！？行きたい〜！！」



















少し歩くと、


ポケットからブーッと言う音がした。




スマホを取り出して開けば、


玲王からメッセージが。







「誰から〜？」





ひょこっと私の携帯を覗く夏ちゃん。








「わぁ〜、こんだけ離れててもお熱いね〜♡」



「ち、違うってば…！！！」






ペシッと彼女の頭を軽く叩いて、

スマホに視線を戻す。





玲王医学部って、午前中で終わるんだっけ?





ん？なんでそんなことを聞くんだ。


不思議に思いながらも、

メッセージを返す。







Aうん、12時には終わる予定。どうかしたの?



玲王俺等もそのくらいで終わるんだけど、昼飯一緒に食わね?





突然の誘いに驚く。

画面を見ていた夏ちゃんが、



「私は全然おっけ〜！」なんて言ってるし、

それならお邪魔させてもらおうかな。






A迷惑とかじゃなければ是非!



玲王迷惑なわけねーだろ。終わったらでいいから食堂集合なー!






ラジャー、とスタンプを押して、

スマホを閉じた。


今気がついたけど、昨日携帯を充電するの忘れてたな。




あと10%くらいしかないけど、

もしものときは夏ちゃんが居るから大丈夫か。







「Aちゃんやばい！！あと10分で始まる！！」


「は！？ごめんのんびりしてた！！」





このあと、久々に全力疾走した。

70.充電→←68.恋バナ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す