検索窓
今日:27 hit、昨日:77 hit、合計:15,777 hit

63.やっぱ ページ15

“俺のことを好きな女子の1人”







その言葉を聞いた途端、


ブワッと顔に熱が籠もった。






恥ずかしそうにそんなことを言うAが


可愛くて仕方がなくて。



手を出してしまいそうになったのを、グッとこらえる。







今は、そういう話じゃない。

真剣な話をしてくれてんだ。















Aの話に、俺が口出しすることはできなかった。




Aが自分を周りの女と同等だなんて話し出したときは、




お前はあいつらとは違う、




って、言いたかった。

心ではそう言いたくても、ろくな根拠もなく。





ただ俺が好きな女ってだけ。








そこは反論したかったけど、

やっぱり彼女の話には納得できた。










今の俺達は、




そんなに甘い覚悟でサッカーをしてるんじゃない。









「玲王にとって、

今そういうのは邪魔なもの…でしょ。


1番大事なときじゃん。





凪くんと、世界一になるんでしょ。」










凪と…“世界一”…。













「…もちろん。」








 



やっぱりお前はすげえや。













「俺が決めたことなのに、



道草食っちまうところだった。






サンキュ、A。」






「ううん、私は何も。



だけど、もし本当に何か困ったら

ちゃんと頼ってね?」







私なんかにできることは少ないだろうけど!、なんて



自信をなくしたのか変に付け足したAに思わず笑ってしまった。







「“私なんか”じゃねーだろ。


頼りにしてんぞ♪」









優しく彼女の頭に手を置く。















偶に思う。





もし、あの時Aに出会わなかったら。


凪に出会わなかったら…。






凪がいなければ、


それこそ退屈な人生だった。







Aがいなければ、


それもまた、退屈な人生だったと思う。






俺の夢を心から応援してくれてたのは、


ついこの前までただのクラスメイトだったお前だった。





俺の夢を語ったのは、


普通に一緒にお昼を食べてた1度きりだったはず。






その時に話したこと、


今も忘れずにずっと応援してくれてたんだって、




やっと気付いたよ。












「…やっぱ俺、




お前が好きだわ。」








自主練後のあの時みたいに、


彼女の頭にあった手を肩まで滑らせ

優しく抱き寄せた。











「絶対手に入れる。




優勝トロフィーも…お前も…。」

64.お仕置き→←62.邪魔



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
387人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

照山紅葉(プロフ) - むぎちゃさん» わ〜!!ありがとうございます!滅茶苦茶嬉しいです🥲今後とも宜しくお願いします〜! (2月16日 20時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - 凄く面白くて最初から一気見しちゃいました(笑)これからも応援していきます! (2月15日 21時) (レス) @page19 id: 2c26ffe894 (このIDを非表示/違反報告)
照山紅葉(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» ありがとうございます!波が激しくてすみません、引き続き頑張ります💪 (2月4日 10時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 更新頑張ってください (2月3日 20時) (レス) id: d8724d6f23 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年2月1日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。