61.時間 ページ13
「…そーそ、慣れてきたじゃん。」
「ふふっ、めっちゃ楽〜♪」
玲王から教わった解き方は複雑な計算をしなくていいから、
計算ミスも減るし時間も短縮できる。
「ありがとう玲王、助かった。」
「おー。」
これでもう、微積の分野は完璧だ。
「ふぅ、疲れた〜。」
「何やかんやで、もう2時間くらい勉強してたんだな。」
「そうだね…え??」
待って今…
「何時…?」
「9時。」
え、冗談??
冗談面白くないよ玲王!?
スマホの画面を見れば、
本当に9時になったところだった。
嘘だろマジか…。
「…あ、そういや8時までだったな。
他の部屋に出入りできるの。」
「…やっちまった…。」
時間を気にしていなかった私のミスだ。
どうしよう、
外に出たら、先生達が見回りをしているに違いない。
パッと部屋に戻れたら良いけれど、
私は4階の部屋だから、階段を上らなきゃいけない。
バレたら玲王との関係を疑われるどころか、
先生からの印象だって悪くなるだろう。
私にはそんな度胸…ない。
「…ごめん、俺も時間確認しとけばよかった。」
「いや、玲王は悪くないよ…!
私のために教えてくれたんだもん、
時間を確認しないといけなかったのは私だよ。」
取り敢えずドアの方へ歩いていき、
背伸びをして扉についた覗き穴をチラッと覗き込む。
…やべ、うろうろしてる…。
あまり大きな声で話すのも危ないかも。
どうしよう、部屋を出るチャンスが見つからない…。
「…外、先生居る?」
「…居る。」
「…仕方ねえよな。
落ち着くまではここに居たほうが安全だろうし、
Aなら俺は構わねえから。」
ベッドにストンと座って、
隣をぽんぽんと叩く玲王。
「…申し訳ない…。」
玲王の隣に腰かけると、
“気にすんなって”と優しく笑って頭をなでてくれた。
「流石に先生達も寝ないで見回りはしないだろ。
もう少し待ってみようぜ。」
「そうだね、」
私の部屋も、私が鍵を持っているから誰も入れない。
先生が私の部屋を訪ねてきたとしても、
明日の朝「すみません寝てました〜」とか言っとけば大丈夫だろう。
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照山紅葉(プロフ) - むぎちゃさん» わ〜!!ありがとうございます!滅茶苦茶嬉しいです🥲今後とも宜しくお願いします〜! (2月16日 20時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - 凄く面白くて最初から一気見しちゃいました(笑)これからも応援していきます! (2月15日 21時) (レス) @page19 id: 2c26ffe894 (このIDを非表示/違反報告)
照山紅葉(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» ありがとうございます!波が激しくてすみません、引き続き頑張ります💪 (2月4日 10時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 更新頑張ってください (2月3日 20時) (レス) id: d8724d6f23 (このIDを非表示/違反報告)
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