49.お出かけ ページ1
夏休みが始まって数日後、
豹馬から手伝ってもらうこともなくなり、
お医者さんからも歩いて良い許可が降りた。
「それじゃ、買い物行きましょっか♪」
お母さんが車を出して、
おばさんと豹馬、私でお買い物に。
途中で豹馬のお姉さんも合流するみたい。
「久しぶりのお出かけ…。」
「はしゃぎすぎて、また怪我すんじゃねーぞ?」
「しないしない」
お店が並んだ歩道を4人で歩く。
「まあ、この服可愛い…!」
「それ、〇〇の服じゃない!?」
ショーウインドウの奥のマネキンが来ている服を眺めては
キャッキャと盛り上がるおばさん達。
…うん、私にはよく分かんない。
そもそも隣のコイツも
女物の洋服なんか見せられ続けて楽しいのだろうか。
「…俺の顔になんか付いてる?
それとも、見惚れてる?」
「は?ち、違う!!」
慌ててブンブンと首を横に振れば、
ケラケラと笑い出す豹馬。
「ねえ、おばさん。
Aとデートしてきて良い?」
…で、
「デート!?」
「あら、熱いわね〜♪
いいわよ、楽しんできなさい!」
お母さーん!!?
許可が出たのをいいことに、
豹馬は私の手を握って逆方向に歩き出した。
「ちょっと豹馬、
誤解を産むようなことはやめてよ。」
「はいはい、
誰かさんが退屈そうにしてたもんだから、
わざわざ連れ出してやっただけなんだけどなー?」
なんだ、いつものコイツの気遣いか。
「…ありがとう?」
「なんで疑問形?」
いや、うん、なんとなく?
「てかお前そんな服持ってたんだな。」
「あぁ。」
以前お母さんに買ってもらった、
レースのついた白いシャツに
紺色の丈の長いスカート。
レースや飾りが可愛くて、
少ない私服の中では唯一のお気に入り。
「可愛いじゃん。」
豹馬が可愛いとか言ってくれることなんか
これまで1度もなかった。
それだからなのか、
今私はカチコチに固まっている。
「千切って等々女慣れしてきた?」
「おい、なんで呼び方戻ってんだよ。
折角素直になってやったのにホント可愛くねー。」
「私は可愛くないですよーだ!」
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照山紅葉(プロフ) - むぎちゃさん» わ〜!!ありがとうございます!滅茶苦茶嬉しいです🥲今後とも宜しくお願いします〜! (2月16日 20時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - 凄く面白くて最初から一気見しちゃいました(笑)これからも応援していきます! (2月15日 21時) (レス) @page19 id: 2c26ffe894 (このIDを非表示/違反報告)
照山紅葉(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» ありがとうございます!波が激しくてすみません、引き続き頑張ります💪 (2月4日 10時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 更新頑張ってください (2月3日 20時) (レス) id: d8724d6f23 (このIDを非表示/違反報告)
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