授業以外で自分の席にいることが許されないのですが【御影玲王】

10.成果 ページ10

「Aはサッカー経験者なのか？」







体育の時間恒例、

リフティングテストの最中に、先生に尋ねられる。








「いえ、全く。」


「マジか、

さては練習したな？」





ギクッ








れ、練習したら駄目なんてきまりありませんからね！！











「偉いじゃん、


ソフトボールのときよりもうんとやる気を感じる。」






「ソフトボールが全く出来なかったからやる気になったんですよ…」








ソフトボールで大分評価下げたかもだし…。



サッカーで挽回しないとね。







「ほんとか〜？


どうせ、





あの御影玲王がサッカー部だから、だろ。」














いやいや、






玲王がサッカー部ってだけで


やる気が出るわけ無いだろ。



なんでそこで玲王なんだ。











まぁ、確かにそういう理由で頑張る女子はいるのかもしれないけどさ。



玲王モテモテだし。
　








　



「そんなわけ…」


















いや、




ちょっとだけ…











このやる気には玲王が関係してる気がする。







一緒に練習するようになって、




楽しませてくれたのは、


いっぱいやる気を出させてくれたのは、







紛れもない、玲王だったから…。



















「今日の体育、どうだった？」







教室に戻れば、


玲王にそんなことを聞かれた。







「めっちゃ調子良かったよ。



先生にも褒めてもらえた♪」








ま、まぁリフティングに限ってだけどね…








「そっか、練習した甲斐があったな！」





「うん、玲王には感謝してもしきれないよ。」









朝とか昼休みとか休み時間とか、



授業以外ではデメリットしかないこの席だけど







やっぱり、このタイミングで玲王の隣になれたのは


良かったかな。



リフティングも上達したし、

玲王や凪くんとも結構仲良くなれた気がするし。









「言いすぎだろそれは…



また、なんかあったら言えよ？


手伝えることがあったら手伝うからな。」







「っ…ありがとう。」













危ない…


　


この言葉に


この笑顔にやられそうになった…。








最近、


なんだか玲王と話すと

胸の辺りがおかしくなる。



















あぁ、もう…


分かってしまったかもしれない…。






できることなら、


こんな馬鹿げた自分の気持ちに、



気が付きたくなかったのに…。

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