44.気付け ページ44
どういう…こと?
「お前より好きな人?
お前より大事なもの?
そんなもん、居るわけねえじゃん。」
「…えっ、だって昨日…。」
「ここまで言われたら気付けよ。
俺が好きなのはお前なんだってば。」
…は?
「…ちょっ…え、まっ…」
「あ〜もう、
なんで今言わせるんだよ。
俺がW杯優勝してからって決めてたのに。」
理解が追いつかない。
私のこと…?
なんでまた?
ある意味玲王のセンスを疑う。
じゃあなんだ
私が嫉妬していたのは…私だったの?
「…な、なんでっ…
私、別に…特別美人とかでもないし、
何処にでもいる普通の人間というか…。」
「俺が好きになった人間が普通なわけねーだろ。」
腕の力を緩められ、
ゆっくり顔を上げると、
視線が交じり合う。
「俺にとっては、
お前が1番素敵な女の子なんだよ。
Aのこと悪く言ったら許さねえぞ。」
たとえ本人でもな、
と頭を撫でられる。
「…まだ返事とか要らない。
今は一緒に居られる時間があんまり取れないし、
俺もまだ色々準備できてねえんだ。
だけど…。」
私の手を、一回り大きな手が優しく包み込む。
「必ず迎えに行くから。
お前の隣は俺に空けといてくれ。」
ここは絶対に、
と口づけを落とされたのは左手の薬指。
急展開すぎて頭が困惑してるけど、
何もかも初めてで、
こういうときにどんな顔をすれば良いのか分からないけど、
それでも、聞き間違えを疑うくらいには嬉しくて。
「…待ってる…。」
頑張って振り絞り、やっと放った言葉。
私の言葉に反応して、
玲王は優しく微笑んでくれた。
松葉杖を拾い上げ渡してくれたので、
腕にそれを挟み
ゆっくり教室まで歩き始める。
「…つかA、俺のこと大好きかよ。」
「…悪いですか〜。」
仕方ないでしょ、
さっきまでは、結構本気で悩んでたのに。
「ん〜ん、可愛い。」
「…かっ!?」
それは攻め過ぎだよ!?
「すげえ嬉しかったよ。
Aの気持ち分かって…。」
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!今後とも宜しくお願いします〜! (1月18日 7時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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