41.登校 ページ41
翌朝、
豹馬に車に乗せられ、
おばさんが車を出してくれた。
昨日あのあと玲王から
『明日迎えに行く』
なんてメッセージをもらったけど、
なんとなく一緒に居るのは気まずくて。
結局玲王のそれを断り、
おばさんに甘えてしまった。
「Aお前…
昨日ちゃんと髪乾かさずに寝ただろ。」
「…え?なんで?」
私の髪を手ぐしで梳かしながらそんなことをいう豹馬。
「髪の手触りで分かるっつーの。
髪痛むぞ〜。
折角綺麗なんだから、ちゃんと手入れしろよ。」
豹馬って髪とかもそうだけど、
私服とか色々センスが良いんだよね。
千切豹馬は女子力が女子を上回っていると…。
「だって面倒くさくない?」
「言うと思った。」
流石、よく分かってんじゃん。
「Aちゃん、学校着いたわよ〜♪」
おばさんの声で車窓の外を見ると、
昨日ぶりの白宝高校。
「A、誰か友達呼んでるのか?」
「呼んでないけど。」
「流石に俺私服だし、
校舎の中まではついて行けないぞ。」
「確かに…。
じゃあ私が荷物持ってく。」
「馬鹿。」
誰か呼んどけよ…、と呆れられる。
「母さん、
俺行けるところまで送って行ってくるわ。」
「ええ、ここで待ってるね。」
「この辺で誰か来ねえかな。」
豹馬とゆっくり校門の前付近まで来ると、
ちらほら生徒が入っていくのを見かけた。
「お前友達いねえのかよ。」
「居るよ。無駄に生徒が多いだけだもん。」
ムスッとしながら
彼が肩にかけている鞄を引っ張る。
「おいこら、なにすんだよ。」
「こっからは私一人でも行けるから。」
「懲りないな、この我儘お嬢様が」
「豹馬に言われたくないっ!」
校門の前でこんなにぎゃーぎゃー騒いでいるもんだから
校門をくぐる生徒達も不思議そうにこちらを見る。
「取り敢えず、ここで知り合い待っとくか。」
「いいって言ってるのに…。」
豹馬は校門前の花壇の縁に腰掛け、
隣に、ハンカチを広げた。
多分私が腰掛けても制服が汚れないように。
「豹馬って絶対モテるよね。」
「今かよ。」
モテるのはとっくに知ってるんだけどね。
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!今後とも宜しくお願いします〜! (1月18日 7時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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