4.授業 ページ4
1限目は体育。
体育は男女別である。
女子は今まではソフトボールをしてたんだけど、
今日から新しい種目に変わるそうだ。
「げっ…」
ホワイトボードに描かれた文字に
私は顔を歪める。
「サッカーなんて生み出したの誰よ全く…。」
「こらこら、生み出した人に失礼だろ。」
「手ではなく足使う時点で無理なんだよ。」
毎時間、リフティングのテストをするみたいだ。
ダルいな、一回もできないのにさ。
ボールを地面に落とし、弾ませて足の上に…
「駄目だできない。」
「これ、一回もできないと評価やばくね?」
夏ちゃんの言葉にビクッとした。
「評価落とすわけには…」
でも授業中で練習できる時間は限られてる。
実践的な試合だってしないといけないわけだし。
サッカーボール持って帰れたら練習できるんだけどな、
なんて思う。
「…。」
今日に限って死ぬほど眠い。
1限目に体育あったせいでもあるけど、
とりあえず本当に眠い。
しかし、今は授業中。
席替えした1日目で隣の人が爆睡してたら
流石に引かれる。
何としてでも起き…
「…。」
「…っいて。」
頭に軽い衝撃を受けた。
なんか飛んできたのかな。
すっかり目が覚めてしまう。
「眠そうだな。」
声のした方を振り返れば、
ニッと笑いながら消しゴムを持っている彼。
それ…投げたのか。
「…眠い…。」
「今までのとこ、聞いてたか〜?
分かんねえところはなんでも聞けよ?」
寝るのをただ責めるわけでもなく、
そんな気遣いまでしてもらった。
流石にいい人過ぎて私の方から引きそう…。
「あ、ありがと。」
とりあえず、その優しさを素直に受け取った。
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!今後とも宜しくお願いします〜! (1月18日 7時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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