15.胸 ページ15
「玲王くんのこと…ずっと…前から…！」
昼休み、役員の仕事を手伝ってほしい
とか言われたもんだから、
渋々その女子についていけばこの状況。
大量に仕事を引き受けてしまい、
一人では無理だから、なんて言いくるめられた。
相手は女子だしな、なんて
少しでも慈悲を感じた俺が馬鹿だった。
「悪い。
俺、今恋愛とかしてる場合じゃねぇんだわ。」
俺の欲しいもの、
宝物、
やっと見つけたんだ。
今は、それ以外に気を取られたくない。
それに…。
「お前に恋愛感情を持ったことはないから。」
男女とか関係なく、
誰とでも仲良くしているつもり。
それだから、勘違いされやすいのかもしれない。
女子に恋愛感情だなんて、
そんなもの抱いたことはないし、
誰かを欲しいだなんて思ったことはない。
「…ごめんな。」
泣いて教室から飛び出した彼女を
追いかけて慰めようだなんて思わなかった。
また時間無駄にしたな…。
凪が待っている。
急いで戻ろう。
時計を見れば、あと少しで昼休みが終わりそうで、
急ぎ足で教室に戻った。
結局今日は昼飯食えなかったな…
放課後ダッシュで食うか、
なんて呑気に考えていると、教室から話し声が聞こえた。
「…っ。」
凪ともう一人、
笑いながら話している女子。
その見慣れた姿に、
鼓動が高鳴るのを感じた。
俺の好きな笑顔だ。
思わず、いつものように
凪、A、と声をかけようとする。
しかし、何故かあの空間に入ろうとは思わなかった。
別に、俺が遅かったのが悪いから
先に昼飯食べてても仕方ない。
だけど…
「なんで２人でいんだよ…。」
アイツの
そんな表情、
そんな笑い声、
放課後のあの時間なら、
唯一２人きりのあの場所でなら、
俺が全部独り占めだったのに。
俺だけのものだったのに…。
自分のおかずを凪の口の中に運ぶ彼女を見て、
余計に胸が苦しくなった。
なんだよ…これ…。
こんなの、初めてだ。
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！今後とも宜しくお願いします〜！ (1月18日 7時) (
レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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