14.お昼 ページ14
「そういえば、
どうしてあんなところに居たの?」
歩きながら、
気になっていたことを尋ねる。
「あぁ、レオを待ってたんだよね。」
「玲王?」
「女子に呼ばれていったから。」
あ〜。
なんかよく分からないけど
胸が痛いかも。
「人気者って面倒くさいよね。」
「…そ、そうだね…。」
それにしても、
慣れてるな〜凪くん…。
こういうこと多いのかな。
まぁ、玲王のことだから
彼女とか好きな子とか
いても可笑しくないよね。
はぁ…
考えるだけで、ため息が出てきてしまう。
「お腹空いたから、もう昼飯食べちゃおうかな〜。」
「まだ食べてなかったのね…。」
それはお腹空くだろう…。
「Aは食べた?」
「私もまだだよ。一緒に食べる?」
「そうする。
箸使うのダルいから食べさせて。」
「それはダメです。」
そんなカップルみたいなことできないよ。
貴方も玲王程ではないけど意外にモテるのよ??
女の子の目が怖いわ。
教卓に運んできた物を下ろし、
ホッとひと息つく。
「凪くん、手伝ってくれてありがとう。」
「いいよ、暇だったし。」
あんま時間ないからここで食べよっかな、と
昼飯を取りに行く凪くん。
幸い教室にいるのは私達だけだし、
女子の目は、気にしなくてもいいかも。
「レオおっそいなぁ。
今頃何してるんだろう。」
私は自分の席に、
凪くんは前の席の椅子を借りて、私の机でパンの袋を開ける。
「あはは…。」
玲王が今何してるのか…
考えたくもなかった。
ついこの前、千切に話し聞いてもらったばかりだったのに。
頑張れって、言ってくれたんだけどなぁ…。
ごめんね千切、
この恋、呆気なく終わってしまう気がする。
「…Aの唐揚げ、美味しそう…。」
「…プッ…。」
突然の言葉に、思わず笑ってしまった。
「っはは!
いいよ、1つあげる。」
嬉しそうに目を輝かせて、
あーっと口を開けてきたものだから
ぽいっと彼の口に唐揚げを入れてあげる。
「美味しい、誰が作ってんの?」
「弟だね。」
「天才、また頂戴ね。」
はいはい、と笑いながら返す。
凪くんのおかげで、
いつの間にか辛い気持ちが軽くなっていた気がする。
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照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!今後とも宜しくお願いします〜! (1月18日 7時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
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