2.隣 ページ2
席を移動すれば、
隣には見慣れぬ紫髪。
やっぱり慣れない人が隣だと落ち着かない…
別によく話すわけでもないし、
『よろしくね!』とかそういう挨拶はしないつもりだった
のだが…
「A、普通に話すの初めてかもな〜。
改めてだけど、よろしくな!」
「あ、うん。よろしくね。」
この人こういうタイプなんだね。
親しみやすい良い人なのは知ってたけど、
あんまりこういう男子いないから驚いた…。
席替えをしたのは放課後のことだったから、
あとは荷物をまとめて部活に行くだけ。
隣を見れば、黙々と部活着に着替え始める御影くん。
そういえば、御影くんって体格いいよね…。
何部なんだろう。
「ん、なにかあったか?」
いつの間にか彼をじっと見ていたらしく、
不思議そうに首を傾げて尋ねられる。
「あっ、ごめん!
着替えまじまじと見てしまった…。」
「ははっ、別にそれは気にしねーよ。
俺が勝手に着替え始めただけだしな。」
本当に彼がいい人で良かった…。
他の男子は絶対こんな事言わない。
「御影くんって、何部なの?」
「俺?サッカー部。」
なるほど、だからこんなに鍛え上げられた肉体を…。
「つーか、俺がサッカー部なの結構知られてると思ってた。」
御影くんって、見るからに人気者だもんね。
ただ通りかかるだけで、なんて女子の騒がしいこと
そのくらい有名であるというのも納得できる
「あっ、ごめん。
あんまりそういう情報回ってこなくて…。」
「んや、別にAが得する情報ってわけでもねぇし。
逆に知らないほうが普通だろ。」
まぁそうかも。
…ってこれ、本人の前で頷いていいやつなのか…?
「そういや、お前はどうなんだよ。」
「へ?」
「部活。なんか入ってんのか?」
「私は美術部だよ。
まぁ、ほぼ帰宅部みたいなものだけど。」
年に1、2回くらいしかない大会が終われば、
あとはこれといった活動はない。
他と比べたら、結構緩めの部活。
287人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
照山紅葉(プロフ) - まむさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!今後とも宜しくお願いします〜! (1月18日 7時) (レス) id: 4eedfa653b (このIDを非表示/違反報告)
まむ - 玲王くん、それはな、嫉妬って言うんや。ほんっとうにこの話大好き愛してます (1月17日 22時) (レス) @page15 id: 92ead78b3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ