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「ねぇ、悪魔って悪い子のことを言うんでしょ？
なら、僕はヒーローにはなれない？
くるみのこと守れない？」
不安そうに呟く蒼真
「違うよ！なれるよ！
そうちゃん優しいもん！
それに、そうちゃんの翼、かっこいいよ！
くるみの事いつも守ってくれてるもん！」
その言葉を聞いてハッとしたとように
そんな事は決してないと否定をするA
いつも自分の手を引っ張ってくれる頼もしい兄の姿が小さく見える
そんな2人の目には涙がうっすらと浮かんでいる
「そうだ、Aの言う通りだぞ
ヒーローになれない人なんていないんだ
守りたい人がいて、一生懸命守ろうとする姿は、誰よりもかっこいいし、それは立派にヒーローなんだよ
蒼眞はヒーローになりたいのか？」
「うん。僕、皆を守れるくらい強くなりたい
くるみを守れるくらい強くなるんだ！」
「なら、お前はもうAにとって立派なヒーローなんじゃないかな」
「うん！そうなの！
そうちゃんはね、優しくて誰よりも強いくるみのヒーローなんだよ！」
蒼眞を励まそうと一生懸命腕を振りながら、蒼真がどれほど自分のことを守ってくれているのかを嬉しそうに話すA
その姿を見てさっきまでの自分の個性についての不安が嘘だったかのようにそれはなくなった
「僕、がんばる」
そう真剣な顔で父に話す蒼眞の横顔を見て
Aは嬉しそうに顔を緩ませる
もう蒼眞の顔には先程の不安そうな顔はなくなり
自信に満ち溢れていた
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作者名：枯れ葉 | 作成日時：2021年11月29日 17時
