双子のヒーローアカデミア (ページ20)

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蒼眞side

(守るって誓ったのに・・・)

「蒼眞とAの力はとても珍しくて、つよいんだ
だから、これから先色んな人に狙われると思う

もちろんお父さんが2人を守るけど
お父さんがいない時、Aのこと守って欲しい」

「うん！もちろん守るよ
守れるくらい強くなる
だって僕はくるみのヒーローだから」

「そうか、ありがとな
お前は強くて勇気のあるヒーローになれるよ」

・
・

幼いころに父と交わしたいつかの約束が頭の中に浮かび上がる

父さんがいないから自分が守るべきだった。

なのに、守れなかった。

父さんは、毎日遅くに帰ってきて早くに家を出て、知り合いのプロヒーロー達に協力を仰いでいる。

母さんは、毎日Aのいそうな場所に探しに行き、涙ながらにお祈りしている。

「そうちゃん！！」

いつも居るはずの片割れが隣を見てもどこにもいない

日に日に2人の顔は暗くなっており、焦燥感に苛まれる

俺は今もこうして待つことしかできない

あの日、俺はAが教室で待っていると思っていた

用事を済ませてからAの待っている教室まで足を運ぶと、Aの鞄だけが乱雑に床に置かれていた

Aは物を大切に扱うため、乱雑に置くなんてことはしないし、自分の立ち位置を理解していたため勝手にどこかへ行くだなんてことはしない

だからこそ、その状況がすぐに最悪な事実として把握出来た

Aが何者かに攫われたのだと

何も出来ない無力な自分にイライラが募る

「くっそ・・・。A・・・」

いつも笑っている大切な片割れ
本当は泣き虫な大切な妹

お願いだからどうか無事でいてくれ