名脇役 (ページ10)

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JH「…A！」

「あ、ジョンハンくん」

駅のホームのベンチで

ジスくんと世間話をしていると、

改札の向こうから自転車に乗ったジョンハンくんが私の名前を呼んだ。

「あ、ごめんねジョンハンくん！」

JH「おう、別にいいけど

…………で、お前は？」

ジョンハンくんの目線の先には、

きょとんとした顔で首を傾げるジスくん。

改札を挟んで、

ジョンハンくんが何も言わず笑っているジスくんを睨んだ。

JH「こんな時間になるまで何してたんだよ

校内案内って、そんなにうちの学校広かったか？」

JS「…あー、確かにそう思うか。

そうだね、僕方向音痴で笑」

JH「お前舐めてんの？」

バチバチ、と二人の間に電気が走った。

きっと私に怒ってるのをジスくんに八つ当たりしてるんだ。とめなきゃ！

「…ジョンハンくん、ごめんね

私がジスくんに沢山話聞いて貰ってたの。

だからジスくんは何も悪くないよ！」

JH「…ふぅん？

俺との約束無視してまで話すようなことだったんだ？」

「え、それは……」

どうしよう。

ジョンハンくんはいつもイライラしてたりはするけど、こんなに怒るのは久々かもしれない。

JS「…約束って、そもそもなんなの？」

JH「お前には関係ない」

JS「え？関係あるから怒ってるんでしょう？」

JH「ねえよ、そんなの

好きにすりゃいいけど

お前のふざけた遊びにA連れ回すのはやめろ」

JS「ふざけてる？僕が？」

JH「ああお前。

さっさと帰るぞA」

ジョンハンくんの言うことに頷いて、

改札を抜ける。

振り返ってジスくんに頭を下げる。

「ありがとう、また明日ね！」

JS「うん」

相変わらずジスくんの笑顔は優しかった。

JH「まだ出会って1日しか経ってないのに

お前ってそんな社交的だっけ？」

自転車の後ろに座る私、

広い背中がそう言った。

「ジスくんが凄いの」

JH「なんかムカつくな」

春の涼しい風に吹かれながら

背中越しに彼の声を聞いた。

JH「お前の友達は俺だけで十分なのに」

"友達"

何故かその時心に重く響いた。