名脇役 (ページ50)

今日:19 hit、昨日:0 hit、合計:13,258 hit

JHside ページ50

.

.

JH「………え」

ジスはAを連れて

もうすぐ集会が始まるというのに行ってしまった。

隣にいるジヨンは固まって、

いつも余裕そうなジヨンが戸惑っていた。

JY「え、え……

なんで？なんでジス君……」

JH「…ジスは、」

JY「Aちゃんが好きなの？やっぱり……」

ジヨンのそんな震えた声を初めて聞いて、

俺は一瞬ドキッと心臓が震えた。

いつもジヨンに対して感じる

ドキドキではなくて、

悪い予感がする、と。

JH「……聞いてもいいか？」

JY「………？」

ゴクリ吐息を飲んだ。

こんなこと信じたくなかったけど。

……今俺、混乱してるんだ。

JH「…ジヨン、

ジスのこと、好きなのか？」

聞いてしまった。

今まで俺がずっと憧れて

愛しく思ってきた彼女は震えながらも涙を一筋流した。

こんな綺麗な涙を、

見たことがなかった。

JY「……もう、帰る…」

JH「…待って、

…あ、送ってく」

JY「…やめて。

もうやめてジョンハン」

運動場、

誰も俺達のことが見えない死角から

ジヨンは俺の胸板を押した。

JY「…私、ジョンハンの気持ちには応えられない」

JH「………」

JY「ごめんね…」

気づいていたんだ。

ジヨンを俺は、苦しめていたんだ。

1番大切な人を、守れていなかった。

……けど、1番大切な人、という存在を想像すると、

今、ジスとアイツが何を話してるのか、何をしてるのかが、気になって仕方なかった。

分からない。

俺はジヨンが誰を好きとかより、

そっちに混乱してるんだ。

JY「……ばいばい」

ジヨンの小さな背中がどんどん離れていくのを、

俺は追いかけられなかった。

……振られたんだから。

そして、

俺は校舎へと走り出した。