名脇役 (ページ4)

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ジョンハンくんは

他の子に目移りしたとしても

ジヨンちゃんのことが好きではあるんだけど

勇気がなくて中々告白できずにいる。

「早く気持ち伝えたらいいのに」

JH「やー、簡単に言うなよ

俺だってできるものならもうとっくのとうにしてるよ…」

だけどさ、

と続けるジョンハンくん。

JH「気持ち伝えて上手くいかなかったら、

俺とジヨンは友達でも居られなくなるんだぜ？」

「……うん」

JH「それなら今のままでいいよ」

私に対してはいつも強気だし、

ちょっとだけ俺様気質だし、

ドSだ。

なのに

ジヨンちゃんの事になると急に弱々しい。

JH「好きなやつに突き放されるくらいなら

俺は彼氏になんてなれなくて、いいよ」

ズキ、と心が痛んだ。

だって今ジョンハンくんが言ったことは、

まるで私の気持ちそのものだったから。

私はきっと、どうしたってこの目の前のジョンハンくんが好きだ。

だけどその気持ちに正直にならないのは、

………ジョンハンくんのそばを離れるのが辛いから。

「……ジヨンちゃんのこと、好きだねジョンハンくんは」

JH「なんだよ、バカにしてんのか？」

「してないよ笑

……ただ、ホントすごいなって思うの」

だって、幼稚園からだよ？

そんな昔からジョンハンくんは

一人の女の子を一途に思い続けてるんだから。

……私もだけど、

完全に諦めきってる私とは全然違いすぎる。

こんなに思われてるジヨンちゃんが、

心の中では羨ましくてたまらないなんて、

誰にも言えないもん。

JH「そろそろ帰る。飯食いに」

「あ、うん」

毎日ジョンハンくんから

ジヨンちゃんの名前を聞くのは正直辛くないといえば嘘になる。

けどこうして、

毎日この時間を過ごせるのは

この世できっと私だけだから。

「また明日ね、ジョンハンくん」

ドアを閉めるジョンハンくんに、

『また明日ね』を今まで告げてきただろう。

あの子と結ばれれば、それもなくなるのかな。

そう思うとやっぱり、

脇役なりに寂しい。