もっと泣かせて愛したい 2 (ページ25)

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あなたsub ページ25

（名前）「…何これ」

バレンタインデーまで１週間に迫ったある日。

朝登校すると、私の机に【バレンタインチョコ決定版ベスト１００！】と表紙に書かれた雑誌が置かれていた。

今年はバレンタイン不参加予定の私のものではもちろんない。

（名前）「（友達）」

私は先に登校してスマホをいじっていた（友達）に聞くことにする。

（名前）「この雑誌誰のか知ってる？」

（友達）「さっき内村くんが置いてたよ」

（友達）はこのクラスで珍しく颯太のことを“内村くん”と呼ぶ。

（名前）「え…」

颯太が！？

隣を見ると、姿勢正しく読書している颯太。

本のページを捲る指が長く美しい…じゃなくて。

（名前）「…ねぇ、これ颯太の？」

私の声に颯太がゆっくり顔をあげた。

内村「…いや？そんな雑誌見たことも触ったこともないけど」

（名前）「えぇ？だって今（友達）が颯太がここに置いたって」

（友達）を見る颯太。

颯太の視線に気付いてスマホから顔をあげる（友達）。

ふたりの視線が交差すること数秒。

（友達）「…いや、やっぱ違うわ。内村くんじゃないかも」

（友達）がそう言って、再びスマホに視線を落とした。