軌跡6 ページ6
石川祐希 said〜
初めて彼女を知ったのは2012年の寒い冬の日だった
いつものように真剣に部活に打ち込んでいたのに、監督の用事でいつもよりだいぶ早く終わった練習
まだまだ練習したかったのにと少しふてくされてるのをチームメイトから「祐希〜 拗ねんなよ〜」とからかわれながら帰路につく
「ただいまー」と家に帰れば女子3人組がなにやらTVにかじりついている
「なにみてんの？」とおかえりもなしかよっと少し寂しい気持ちになりながら俺もTVを覗き込む
そこには氷の上を演技しながらキラキラ滑る1人の女の子がいた
真佑「ゆうくん邪魔！A選手がみえない！！」
どうやら真佑に怒られるまで彼女と彼女の演技に魅入ってしまっていたみたいで、気づいていなかった自分にびっくりする
祐希「A選手っていうの？」
ちょっと恥ずかしくなりながら真佑に聞くと
真佑「え、ゆうくん AA選手知らないの！？！？ なおちゃん、ゆうくんやばくない？」
心底信じられないと言う顔で姉に同意を求める真佑
真佑「A選手は中学生の時からめっちゃ有名だったんだよ！ ほんとにゆうくんはバレーボールのことしか頭にないよね やば笑」
祐希「真佑だって似たようなもんだろ！」
反論するけど「ゆうくんほどじゃないもんね〜」と憎たらしい笑顔で返される
仕方ないじゃん、俺の人生バレーボールでできてるしと自分自身を慰める
まして女の子のこととか今まで気にしてなかったし
でもAA選手は初めて誰かを純粋に綺麗だと感じた人だった
祐希「てかなんでそんなに詳しいの？」
真佑「ファンだからにきまってんじゃん！」
A選手の大ファンらしい真佑のマシンガントークが始まり今日まで知らなかった彼女の情報が自分の中に増えていく
そこから時間があるときは真佑と一緒に彼女が出場する大会をみたりして「ゆうくんもすっかりA選手のファンだね」なんて言われるくらいになってしまった
これから先会うことはまずないだろうと思っていた彼女に同じ日本代表として会うことになるなんてこの時の俺は思うはずもなくて
初めて君のことを知った寒い冬の日
監督の用事にここまで感謝したのは初めてかもしれない
祐希「A選手はもともと目の色素が薄くてグレーぽい色してるらしいぞ」
真佑「……なんかゆうくんが言うとキモい」
祐希「キ、キモい？？ おい、お兄ちゃんに対して何てこと言うんだ！」
俺、キモいの！？と妹から放たれた衝撃の一言に少しの間悩んだのは誰にも内緒
こんなの知られたら恥ずいっしょ
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な(プロフ) - コメントありがとうございます！忙しくて更新できてないですが頑張って更新していこうと思います とっても励みになります(*˘︶˘*).｡.:*♡ (12月28日 20時) (
レス) id: a30c48fe6a (このIDを非表示/違反報告)
えにゃん(プロフ) - 何回も見るほど好きな小説です！！更新楽しみに待ってます(｡•ㅅ•｡)♡ (12月21日 15時) (レス) id: e67d1365d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：な | 作成日時：2023年10月28日 20時
