52 犯人 ページ7
更に反対の手には私の持ってきた鞄。
なぜ、私の鞄を?と思っていると
「この拳銃は殺害された新山慎二さんがいた近くのテーブルの下から、そして貴方の鞄の中からは硝煙反応を示した肩掛けが発見されました。」
鞄の中からその肩掛けを出して、私に見せてくるがあんなド派手な肩掛けは持っていない…
恐らく犯人である彼女が入れたのだろう。
「そして、拳銃からは血痕らしきものが付着していたので先程鑑識さんに調べさせたところ、アクリル樹脂が検出されました。」
つまり、マニキュアです。と目暮警部の後から高木刑事が淡々と答えながら私の爪を見る。
確かに今朝、清光がデコる!と言ってきたから爪には赤いマニキュアが施されている。
これも見越した上での犯行なのだろうか?と思いながら当の彼女をチラリと見やる。
『つまり、私が犯人だと?』
「…はい、我々はそう睨んでいます。Aさん。」
審神者としての名前を呼ばれて反射的に、目を見開いてしまう。
ああ、鞄の中を調べられたのか。と彼らが持っているそれを見て納得する。
後ろからは清光とみっちゃんから漏れ出る殺気。
少し離れたところからは口角を上げるコナン君。
『…七瀬殿』
「申し訳ありません…この件での処理は我々が責任を持ち行いますので。」
『当然です。』
私に勢いよく頭を下げる彼女。
恐らく、私の事を第三者に漏洩するなという前に彼らは私の鞄から情報を得たのだろう。
それか、あのコナン君が彼らに教えたか。
まぁ、本名ではないし、調べたところで何も出てこないのは事実。
そこまで重大な規則違反ではない。
飲み込むしかないか…と思いため息が出る。
その光景に誰もが目を見開き唾を飲み込む。
『…お言葉ですが警部さん、私は殺害された彼とは何も接点や動機がありません。それに、私にはアリバイもありますが、どうやって私を犯人にするんです?』
「それは…」
彼らが口篭る姿を見て更にため息が出る。
何を捜査しているんだと怒りたいのは山々だ。
「犯行した犯人じゃなくても、共犯の可能性もあるんじゃない?」
「合図を送るとか!」
下から声がして、目線を向ければそこには私を見上げる少年探偵団。
さっきまでとは打って変わって私を睨みつけるんだから、子供の変容には付いていけない。
『名案ね…でもどうやって合図を送るの?』
彼らの茶番に付き合ってあげようと、目線を合わせるために腰を落とした。
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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年5月5日 21時