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76 イザナミ ページ31

コナンが目を開けて横を見れば、もう既に彼女の姿はどこにもなく、子が親を探すかのようにキョロキョロと辺りを見回す。


「大将なら政府の奴と話してるぜ?」


いきなり声が聞こえ、起き上がれば目の前には朝餉を持って襖を閉めている薬研だった。
薬研はコナンの隣に座ると、手に持っているそれを手渡した。


「…僕、どうなっちゃうの?」

「さぁな。けど、大将がさっきから政府と揉めながらお前さんを守ろうとしてるよ。」


コナンは脳裏に彼女のその姿が簡単に浮かび、申し訳なさそうに眉を下げた。


「ま、気にするな。それよりも早く食っちまえ。」


冷めるぜ?と言う薬研に、コナンはまだ温かいその朝餉を恐る恐る口に入れた。
白飯に焼き鮭、味噌汁といったごく一般的なものだったけれど、コナンはその美味しさに目を見開いた。


「上手いだろ。」


こくこくと頷くコナンは完食すると、それを見届けた薬研はすぐさま食器を持って行ってしまう。

部屋に沈黙が訪れた時、コナンは昨日のAとの会話を思い出していた。

_______
___

「…伊邪那美命ってあの?」

『ええ』


後ろを振り返るコナンにAは慌てて弁解する。


『別に本人がいるわけじゃないの。あなた自身に伊邪那美命の加護があるの……それも強力な。』


その加護のおかげでこの本丸に来られたのか。と思っているコナンにAは続ける。


『そのせいで、私の力じゃ君の記憶を消せない。解決するまでこの本丸に居て貰うことになるわね。』

___
_______

その後、彼女から加州のした事、暫くはこの部屋から出ない事、何かあれば彼女のそばにいることを説明された。

彼女の言うことには理由がある。
この本丸の刀剣男士達は、コナンの事を納得はしているが認めてはいない。
とどのつまり、彼女に隠れてコナンに何かしかけても可笑しくないという事だ。

唯一コナンを妥協して認めているのは、世話をしに来る薬研くらいだった。
Aに頼まれた事や心の奥底では良い実験体が来たとでも思っているだろう。


「何で俺にイザナミの加護が…」


本人は知らぬだろうが、コナンは裏では死神等とあだ名を付けられるほど、他人の死に近い人間だ。

伊邪那美命は神話の時代、命を落とし黄泉の女王となった。その後、人々の間では死を与え黄泉へ導く存在。死神のように祀られていた。

その彼女に魅入られた事をまだコナンは知らない。

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あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年5月5日 21時

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