59 報告書 ページ14
あの後、本丸に戻って約束通り短刀ちゃんたちとお風呂に入った。
「…主、そろそろ寝て下さい。」
『この報告書に目を通してからね。』
「その言葉を数刻前もお聞きしましたが?」
今日の近侍だった長谷部が、不服そうに私を見つめる。私も寝たい…けれど、今パーティの報告とこんのすけから届いた違法運営本丸の候補の書類に目を通さないといけない。
とはいえ、山のように上がった本丸にむ白目剥きそうだ。
「主…」
『大丈夫よ、本当に目を通すだけだから。』
心配性の彼が、しょんぼりするもんだからすかさず言葉を繰り返して念押しする。
はてさて、こんのすけたちは一体どんな基準で見たのかは気になるが、数百をも登るだなんて予想の範囲を超えていた。
目を通し限り、これから発展する可能性あり、可能性あり、重篤化の3段階に分けられそうだ。
前者に関しては、引き続きこんのすけに監視してもらい、中者に関しては一度誰かしら派遣させた方がいいだろう。
後者に関しては、数十件見られるがこれら全て私が見に行った方がいいだろう。
違法運営本丸に成り下がったという事は、審神者にもある程度の力があるという事だ。
ただの審神者では太刀打ち出来ないだろうし、恐らくその本丸の刀剣男士もかなりレベルが高いだろう。
また一つ仕事が増えたと溜息をつき、報告書を閉じる。
その行動を見て、分かりやすく長谷部の顔が嬉しそうに輝く。
「明日の予定は、上層部との会議となっています。」
『どうせ、私が全て指示を出すことになるのだから、こんのすけに頼んで私の意思を伝えて貰うわ。』
先程固まった考えを伝えれば、文句など無いだろう。
「では、明日は久々の非番ですね」
『ええ、そうなるわね。』
長谷部は冷静に答えているつもりだろうが、嬉しいのか微かに口元が緩んでいた。
彼はこういう所が可愛いんだよね。と思いながら笑うのを我慢する。
『明日の天気も良さそうだし…皆で久々に外で食べましょうか。』
「ぴくにっく…ですね!?」
『ええ、皆で騒ぎましょう』
「燭台切に伝えておきましょう」
彼におやすみなさい。と言えば、頭を下げて襖を閉めた。
その後、パタパタと走る音がしたと思うと長谷部が歓喜あまって皆を起こしたのか、皆の嬉しそうな声が自室まで響いてきて、私もつられて笑ってしまった。
ああ、明日は楽しい一日になりそうだ。
1216人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あごしわ - コナンって光合成みたいに推理しなきゃ逝っちゃう呪いでもかかってるんじゃないかなって思う時がある。 (2020年1月1日 3時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 式さん» その案名案ですね!!そうします!!暖かいコメントもありがとうございます(´∇`) (2018年8月7日 8時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 亜琉麻(プロフ) - 上でお願い申し上げます! (2018年8月7日 2時) (レス) id: e742954296 (このIDを非表示/違反報告)
璃奈 - 上でよろしくお願いします。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 9d081775ee (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 上で、式さんのような感じがいいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 01a97476ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年5月5日 21時