43 遡行軍の影 ページ45
「降谷、貴様の割振りはここでは無いだろう」
「申し訳ありません、神田長官…」
威厳ある神田さんが彼を一喝すれば、たちまち頭を下げて謝罪するがその中でも私に対する殺気が滲み出ていた。
『神田殿、先程悲鳴が聞こえましたが…何があったのですか?』
「…悲しい事です。我々が警備している中、人が一人殺されました。」
ヒュッと喉の奥が鳴った気がした。
まさか、上村さん達が狙われた?
やはり、遡行軍の仕業だろうか?と思いながら恐る恐る彼に聞く。
『…被害者は?』
「今回参加していた財閥の一人息子だそうです。」
『名前は分かりますか?』
「いや、申し訳ないですが、私もそこまでは」
『…そうですか。』
顔を見ただけで名前が分からないという事は、そこまで有名な人ではないのだろうか?
この場での殺人は元々の歴史なのか?
遡行軍の仕業ではない…?
その現場を見て見ないと何も分からない。という結論が浮かび上がる。
『…神田殿、その場はどこですか?』
「…我々が居た場所です。」
『っ…分かりました。』
さっきまでいた場所で殺人…
再び遡行軍の文字が浮び上がり不安が募る。
私は彼らに一礼して、その場に強歩で向かい出した。
後から安室さんの声が聞こえたような気がしたが、振り返らずにあの場所に向かう。
『…山姥切』
「なんだ?」
ポツリと呟けば一瞬で私の横に現れて共に強歩をする彼。
『遡行軍の可能性は?』
「奴らの気配は感じない。その線は薄いと考えるが…」
『万が一の事を考えてこの会場の隅々まで探りなさい。』
「心得た。」
彼は私にそう言うと、花弁を1枚だけ残して消えた。
あの場所に着くと、既に人だかりが出来ていてその中心部には血溜まりに倒れる男性。
その脇には青い顔をした上村さん達、その彼らを守るように立っているみっちゃんと清光。
二人は何やら一点に向かって睨んでいて、その方向を見ると、何やら顎に手を当てて考えている江戸川コナン君がそこにいた。
『上村殿!』
私が、人混みを掻き分けて先頭に出ればぱあっと顔を輝かせて歓喜の声を上げる彼。
「A様!ご無事で!」
『何があったのですか?』
「ええ、灯りが消えてついたらそこの彼が横たわっていたんですよ。」
指を指す彼に近付いて、よく見れば3発ほど撃ち込まれた弾創が残っていて、死因は恐らく失血死。
弾が貫通していない事から、銃は旧式か遠くから撃たれたか…
益々、遡行軍の匂いが強くなる。
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朧月(プロフ) - 名無しさん» 当時の私が設定で考えていた事は、この不死ノ少女が続編に行く前は、2017年生まれであっても現在の西暦は伏せていたためそのようにしました。なので、続編では初代がコナンに本当の歳を話して西暦は明らかになっています。 (2018年11月17日 12時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 年齢不詳なのに生まれた年が2017年の設定なんですね (2018年11月16日 23時) (レス) id: 29bc82e604 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - かなみさん» 初めまして!ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ミッテさん» 大好きと言って頂きありがとうございます!そうですね、二人は何でもかんでも組織の人間って考えるのを直すべきですよね笑 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 初めまして…このお話大好きです続きを楽しみにしてます。誤解が早く速やかに解けますように(笑) (2018年5月2日 15時) (レス) id: 48cf8ea98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年4月15日 23時