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コナンside
招集がかかったとお金の入った封筒を置いて出ていこうとする彼女。
…いや、行かせてはいけない!
そう思って勢いよく立ち上がる。
彼女が何かしら黒ずくめの組織とかかわっているのは一目瞭然。
もしかしたらこれから前みたいに誰かを暗殺しに行くんじゃ…。
最悪の事態が頭をよぎり、安室さんを見上げれば彼もまたそう思ったようで俺を見下ろす。
何が何でも阻止しなくてはという義務感に襲われる。
「…どこに行くの?」
「仕事と言っていましたが…」
詰め寄る俺たちに驚いた様子で、笑顔を浮かべながら口を開いた。
『…国会議事堂ですが。』
国会議事堂。その言葉に俺と安室さんは目を見開いた。
国会議事堂でなにをする気なんだ!?やはり暗殺だろうか?けれどそんなことを彼の前で悠然と言うだなんて、彼の…公安の顔に泥を塗ったようなものだ。
恐る恐る安室さんの心境を察して見上げれば、彼は唇を噛みしめながら彼女を睨んでいた。
そりゃそうだよな…自分の知らぬ間に事が進められていただなんて、きっとプライドに傷が付いたのに違いない。
自分に何かできることは無いだろうかと考えているとふと、腕時計が目に入る。
隙をついて麻酔銃を打ち込めば阻止することが出来る。
彼女に気づかれないように手を伸ばせば、彼女はチラリと俺の腕を見た。
…この腕時計が何か知っているのか?
なんて思っていると彼女が外の黒塗りの車を凝視していた。
首元も空いていて今が好機だと思っていると、一歩早く安室さんが彼女の腕を掴んだ。
それに驚いた彼女は振り向いて間抜けな声を出した。
『あ、あの…安室さん?私、仕事が…』
「すみません。まだ貴方の職業を伺っていなかったもので。」
いつものポーカーフェイスと営業スマイルを彼女に向けているが、その瞳の奥底にある怒りの炎に気付いたのか腕を振り払おうとする。
しかし、それは叶わず彼女が諦めたと思った瞬間バチバチと音が鳴り彼は悲痛な顔を浮かべて思わず手を放してしまった。
何が起こったのか分からなかったが、彼女を逃がしてしまう。と焦りを感じてとっさに彼女の足にしがみつく。
「行っちゃやだ!!」
俺が子供だからか彼女は困ったような表情を浮かべていると、安室さんが再び彼女に手を伸ばす。
彼女がぎゅっと目を瞑り、俺たちが口角を上げた刹那チリンと鈴が鳴った気がした。
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朧月(プロフ) - 名無しさん» 当時の私が設定で考えていた事は、この不死ノ少女が続編に行く前は、2017年生まれであっても現在の西暦は伏せていたためそのようにしました。なので、続編では初代がコナンに本当の歳を話して西暦は明らかになっています。 (2018年11月17日 12時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 年齢不詳なのに生まれた年が2017年の設定なんですね (2018年11月16日 23時) (レス) id: 29bc82e604 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - かなみさん» 初めまして!ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ミッテさん» 大好きと言って頂きありがとうございます!そうですね、二人は何でもかんでも組織の人間って考えるのを直すべきですよね笑 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 初めまして…このお話大好きです続きを楽しみにしてます。誤解が早く速やかに解けますように(笑) (2018年5月2日 15時) (レス) id: 48cf8ea98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年4月15日 23時