22 許可有らず ページ24
全く動じない彼らに、コナン君と安室さんが生唾を飲み込む音が聞こえた。
『…やめなさい。二人とも』
私の言葉に驚いた前田が、刀はそのままで私に振り向く。
「何故ですか主君!?」
「どう見ても主に敵意があったと思うけど?」
前田に続いて歌仙は、振り向きもせずにその方向を見ながら私に話しかける。
『確かに助かったのは事実です。ありがとう。けれど、私は抜刀を許可した覚えはありません。……直ちに納めなさい。』
安心するコナン君達に対して、一向に納めようとしない二人。
『……刀を納めなさい。』
声を低くして言えば、本当に渋々鞘に納めて彼らを睨みつける。
そして、数歩離れて距離を取るがその手は未だに柄に触れたままだ。
とりあえず血は見ずに済んだと思い、胸を撫で下ろす。
『……お騒がせしました。』
二人にぺこりと頭を下げて去ろうとするが、安室さんに話しかけられる。
「…貴方達は一体どういう関係なんですか」
『…ただの同僚ですよ。』
その言葉に眉をひそませて、意味が分からない。と言いたげな瞳で私を見つめる。
そんな中、前田と歌仙は先に店の扉を開けていてくれて出ようとすると、後から三日月の声が聞こえた。
「主を何と勘違いしたかは知らんが……次は無いぞ?」
冷酷な冷たい言葉にコナン君の背筋が凍りつく。
その光景を見て満足そうに笑顔になって店から出てきた三日月。
早足で反対車線の車に行って、乗り込めば隣に三日月がちゃっかし座り込む。
それに続いて前田が笑顔で残りの隣を占領するもんだから、歌仙は諦めて助手席に座る。
「良いのか?主。」
『何が?』
「あの童だ。」
『別にどうもしないけど』
隣で微かに殺気を帯び始めた三日月を静かに見つめると、口元に弧を描く。
「…鶴から聞いた童は彼奴だろう?じいに任せれば隠すことも」
『それは許さない』
彼の口元に私の手を当てて強制的に黙らせる。
三日月ほどの神格なら偽名でも、隠すことは可能だろう。それほど怖いものは無い。
『…どうせ鶴から名を聞いているだろうけど…駄目よ。』
少しキツめに睨むと彼は悲しげに眉を下ろす。
それを見た前田が、私の裾を引っ張る。
「…主君、我々は心配なのです。」
三日月さんを責めないでください。と彼までしょんぼりする。前の歌仙も寂しそうに笑っていた。
『そうね…心配してるのにごめんね。でも、その理由だけであの少年を隠すことは断じて許さないわ』
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朧月(プロフ) - 名無しさん» 当時の私が設定で考えていた事は、この不死ノ少女が続編に行く前は、2017年生まれであっても現在の西暦は伏せていたためそのようにしました。なので、続編では初代がコナンに本当の歳を話して西暦は明らかになっています。 (2018年11月17日 12時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 年齢不詳なのに生まれた年が2017年の設定なんですね (2018年11月16日 23時) (レス) id: 29bc82e604 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - かなみさん» 初めまして!ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ミッテさん» 大好きと言って頂きありがとうございます!そうですね、二人は何でもかんでも組織の人間って考えるのを直すべきですよね笑 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 初めまして…このお話大好きです続きを楽しみにしてます。誤解が早く速やかに解けますように(笑) (2018年5月2日 15時) (レス) id: 48cf8ea98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年4月15日 23時