１ 緊急事態 ページ3
『……私を消すために過去へと渡った…？』
「はい、その通りでございます！」
目の前のこんのすけは、淡々とけれど慌てた様子で現状を私に報告した。
「主！過去へ遡り奴らを切り捨てましょう！！」
「そうだよ主！！俺、主が消えるの嫌だもん！」
「そうだぜ主。俺らには君が必要だ」
長谷部、清光、鶴丸の順で声を上げるとこの大広間にいた刀剣男士が次々に声を張り上げる。
その声をBGMにこんのすけは私に問う。
「…いかがなさいますか？」
この機でもしかしたら死ぬ事が出来るのかもしれない…。そう心の端で思っていると、こんのすけは私の心を悟ったのか更に畳み掛ける。
「それに貴方様の命だけではなく、ここにいる刀剣男士たちの命も関わっています。」
その事をお忘れなく。と付け加えて私の事をじっと見上げる。
その言葉にハッとして、皆の方に顔を上げる。
そうだ、これは私だけの問題ではない。彼らの本霊が折れれば…彼らはここに存在しなくなってしまう……そうなれば時間遡行軍は更に規模を広げて歴史などめちゃくちゃになってしまうだろう。
そうなってしまえば本末転倒。
私の都合だけでそんな事をしてはならない。
私は不死ではなく不老なのだから…いつでも死ぬ機会はあるはずだ。
そう自分に言い聞かせる。この事を何度思って何度裏切られたか数え切れないが…今回も同じ事なのだと再び自分に言い聞かせる。
目の前の皆は私を見るやいなや黙り込み、私の次の言葉を待った。
『これより我々は、我々を消そうとする時間遡行軍を排除する。』
その言葉を聞いて、皆の士気は一気に跳ね上がった。
拳を天井に突き上げる者、声を張り上げて叫ぶ者、高らかに笑う者……様々な反応を見せた。
『こんのすけ、この事を至急政府へ伝えて。』
こんのすけは顔を輝かせると、ボンッと音と共に煙となって消えた。
政府の事だから、私からの至急の連絡だと知れば数刻で返事が来るだろう。
飛ぶ時間は予想がつく…2017年。私が生まれた年だ。
そして、その年は多数の刀剣男士たちが各地で展示を行われた年でもある。
これほどうってつけの年は他にはあるまい。
少しでも準備を進めようと立ち上がると、目の前に再びボンッと煙と共にこんのすけが現れた。
「政府からの返事を報告します！」
予想以上の早さで帰ってきたに驚きつつ、再び同じ場所に腰を下ろす。
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朧月(プロフ) - 名無しさん» 当時の私が設定で考えていた事は、この不死ノ少女が続編に行く前は、2017年生まれであっても現在の西暦は伏せていたためそのようにしました。なので、続編では初代がコナンに本当の歳を話して西暦は明らかになっています。 (2018年11月17日 12時) (
レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 年齢不詳なのに生まれた年が2017年の設定なんですね (2018年11月16日 23時) (レス) id: 29bc82e604 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - かなみさん» 初めまして！ありがとうございます！！これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ミッテさん» 大好きと言って頂きありがとうございます！そうですね、二人は何でもかんでも組織の人間って考えるのを直すべきですよね笑 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 初めまして…このお話大好きです続きを楽しみにしてます。誤解が早く速やかに解けますように（笑） (2018年5月2日 15時) (レス) id: 48cf8ea98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年4月15日 23時
