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10 普段通り ページ12

パンっと手を合わせれば目の前には簡易結界が出来上がり、それに勢いよくぶつかった遡行軍は弾かれて後にたじろいだ。

その一瞬の隙に鶴の放った衝撃波で彼らは両断され、血を吹き出して倒れて霧散していった。

鶴の方を見れば、返り血を浴びて白い髪や肌に赤がよく映えていた。


「どうだい?鶴らしいだろう?」


本体を肩に乗せて私の方に振り向く彼に、柔らかく微笑めば彼もまたニコッと微笑み返した。
どうやら、今の衝撃波で全ての遡行軍を倒したようで彼らの気配は一切感じなかった。

全員が無傷というのは、この四振りなら流石の一言か。と思いながら彼らに歩み寄る。


「殲滅完了です。主。」

「主君、ご無事で。」


本体をしまった長谷部と前田と平野がそれぞれ頭を下げる。
鶴に遡行軍は本当にいないかと問えば、絶対にいないと返ってきてとりあえず安心する。

けれど、その大量の返り血を浴びた状態で街中を歩くわけにもいかない。


「こりゃ外を歩けないな。」


ケラケラと笑いながら己の服を伸ばしたりして眺めていた。
そんな中長谷部が声を上げる。


「ならば主いつも通りに。」

『そうね、それが一番いいかも』


本当はもっと街中を歩かせてあげたかったんだけど。と付け加えれば、皆は少し寂しそうな顔をして自身の鈴を私に渡した。

私がブレスレットに四つの鈴を付けると、彼らは光り出して各々の鈴の中に吸い込まれていった。

そして、鶴の鈴がチリンと鳴った途端周りの世界は歪み始め、目を開けるとそこは先程の路地裏だった。


『…さてと、三日月はどっちかな』


路地裏を抜けて、右?左?と言うと左の言葉で再びチリンと鳴った。
左か。と思いながら早足でその方向に歩き出す。

ふと後ろを見れば、さっきまで付けて来ていたコナン君の気配はどこにもなく胸を撫で下ろす。
遡行軍と交戦して消えた時に、恐らく彼は私達を見失って血眼で探しているか、諦めて帰ったか…

どちらにしろ私に支障はない。

一期の神気が進行方向から感じる事から、三日月をようやく見つけたのだろうか。
そんな淡い期待を込めて鶴の指示する方向へと歩き出す。

すると、見覚えのある水色ヘアとパーカーが見えてきて小走りで近づく。

近くまで来ると、どうやら誰かと話しているようだったが一期が困ったような顔を向けていて、それを高らかに笑いながら眺めている三日月。


『…すみません』


話していた男性に声をかけると、その綺麗な金髪が揺れた。

11 タダ食い→←9 交戦開始



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朧月(プロフ) - 名無しさん» 当時の私が設定で考えていた事は、この不死ノ少女が続編に行く前は、2017年生まれであっても現在の西暦は伏せていたためそのようにしました。なので、続編では初代がコナンに本当の歳を話して西暦は明らかになっています。 (2018年11月17日 12時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 年齢不詳なのに生まれた年が2017年の設定なんですね (2018年11月16日 23時) (レス) id: 29bc82e604 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - かなみさん» 初めまして!ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ミッテさん» 大好きと言って頂きありがとうございます!そうですね、二人は何でもかんでも組織の人間って考えるのを直すべきですよね笑 (2018年5月3日 17時) (レス) id: 270593a483 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 初めまして…このお話大好きです続きを楽しみにしてます。誤解が早く速やかに解けますように(笑) (2018年5月2日 15時) (レス) id: 48cf8ea98d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年4月15日 23時

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