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突然の出来事にAは困惑した。
あの後、炭治郎達と情報を交換しなんだかんだで鬼殺隊に協力することになった。
そして、上弦の鬼だと自称する鬼と対峙している際、唐突に月明かりが眩いほどに降り注いだ。
あまりの眩しさに目を閉じ、次に目を開けた時には見慣れた庭に座り込んでいたというわけだ。
「主!!一体今までどこに行ってたのさ!」
「ほんとですよ!主さんがいない間にこの本丸乗っ取られそうになりますし!!」
「僕たち、寂しかったんだからね!」
加州、堀川、乱の順でえぐえぐと泣きながら初代に猪突猛進する。
それに続いて、「主!」「主さま!」と短刀を筆頭に彼女が見えなくなるくらい抱きつく彼ら。
この光景にようやく自分が本丸に帰ってきたのだと実感するA。
『重い重い重い!!なんか不穏な言葉聞こえた気がするんだけども!?』
必死で彼らを押しのけて、立ち上がろうとするAが、皆の隙間から見えた人物に目を丸くした。
『…紅?』
「お久しゅうございます、初代様」
瞳に涙をためて、頭を下げる紅に初代はたまらず皆を突き放した。
『随分立派になって…』
「いえ、まだまだ新参者です。初代様に助けて頂いたこの命、少しでもお役に立てばと思い駆けつけて参りましたが、かえって皆様方を警戒させてしまいました。申し訳ありません」
相変わらずの行動の速さにAは乾いた笑いを零す。
彼女との出会いはとてもベタなものだ。
目の前で両親を遡行軍に殺された幼い少女がいた。その少女を救った人物が初代であり、少女は紅である。事件後、本丸に彼女を置くことは出来なかったものの、政府に居場所を用意ししばしば世話をしたのだ。
もう何十年も前の話である。
『貴方のそのお転婆とも言える行動力…変わらないわねぇ』
「いえ、そんな…照れます」
『いやほめてない』
当時、いらついていた初代が単独で遡行軍を討伐したため、刀剣男士達は紅を知らなくて当然か。と勝手に納得する初代。
話についていけない彼らは、説明を求め全てを話すと納得はしたが、一人で遡行軍を討伐した初代への説教が始まったことは言うまでもない。
こうして、異世界へと旅をした奇妙な話は幕を閉じたのである。
ちなみに1番のとばっちりをくらったのは、未だに紙のままでいるこんのすけである。
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都花 - 「五人は仲良く手を繋ぐと、眩しい程の光の中へと消えていった」で涙がが出た…この話とても好き…! (2020年8月31日 23時) (レス) id: e0ab5d8073 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 鬼滅とコナンと刀剣のクロスミックスかぁ。面白い (2020年4月28日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ましろさん» リクエストありがとうございます。期待に添えるように頑張ります(^-^) 本編の方も何周もして頂きとっっても嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張ります! (2020年1月15日 0時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - リクエスト失礼します。もしもの話で「天国で5人が再会したら」と「りくやが本丸に遊びに来たら」という内容のものをお願いします。 本編の方も何周も読みました。とっても大好きです。いつまでも更新楽しみに待ってます。よろしくお願いします。 (2020年1月12日 10時) (レス) id: 1d5253b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ベルさん» ありがとうございます!頑張って更新します(`▽´) (2019年12月18日 22時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2019年4月29日 15時