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だが、その悲鳴は隣の黄色い髪をした少年が代わりに叫んだ。
「いやいやいや、なにやってんの!?!?」
困惑している少年をよそに、花札の少年がとんでもない事を口にする。
「善逸、あいつら鬼だ」
『……んん??』
静かに言う彼に、Aは思わず声を漏らす。
善逸と呼ばれた少年は、「嘘ぉおおお!」と叫ぶと、じっと審神者たちを見つめた。
数秒後に、泣きそうな顔になり喚く。
「無理無理無理!!音が変だもん!やっぱり鬼じゃん!!炭治郎、俺、帰っていい??」
「何言ってんだ!伊之助が目を覚ますまで守るんだ!」
「それ絶対、俺が死ぬやつ!!!」
いやいやと頭を振る善逸を無視して、炭治郎は大きく深呼吸して飛び出した。
「来るぞ!」
『え、誤解を解こ?ねえ!ちょっとぉ!!』
平和な道を望むAは源氏兄弟に訴えるが、案の定意味もなく、彼女の手を振り払うと炭治郎に向かっていく。
『ほんとに待って!!』
Aがハラハラ見守る中、打ち合いが続く。
源氏兄弟が押しているものの、彼女は不安を拭いきれなかった。
そして、二振の見せた一瞬の隙に炭治郎の刃が膝丸の腕を掠めた。
『膝丸!』
「大したことではない!」
髭切の鋭い突きをかわすと、後ろへと下がり距離をとる彼。
次の瞬間、その場の空気が変わった事にAは気づく。
ひやりとした空気が彼女の肌を撫でる。
嫌な予感がして、咄嗟に薬研を落とさないようにと懐に収め、式神を手にして走り出す彼女。
「全集中…水の呼吸!壱ノ型、水面斬り!」
一瞬で縮められた距離に、髭切が刀で受け止めようとするが、炭治郎の刃は彼の首へと迫っていた。
『我が手は誰にも傷つけられず、何人も触れることすら叶わなず』
瞬時に二人の間に滑り込んだAは、髭切の腕を片手で掴み、もう片方の手で呪をかけた式神を用いて炭治郎の刃を受け止めた。
『やめてください。我々に敵意はありません…どうか、刀を納めて頂きたい』
自分の刀を糸も簡単に受け止めた少女に、炭治郎は目を見開きあんぐりと口を開いた。
『三人も刀を納めなさい』
静かに言うAの言葉に、髭切は「わかったよ」と返すと大人しく刀を鞘へと納める。
「兄者!しかし!」
「まぁまぁ」
納得のいかない膝丸と山姥切は、闘志は消えたもののその手にはまだ、刀を握っている。
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都花 - 「五人は仲良く手を繋ぐと、眩しい程の光の中へと消えていった」で涙がが出た…この話とても好き…! (2020年8月31日 23時) (レス) id: e0ab5d8073 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 鬼滅とコナンと刀剣のクロスミックスかぁ。面白い (2020年4月28日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ましろさん» リクエストありがとうございます。期待に添えるように頑張ります(^-^) 本編の方も何周もして頂きとっっても嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張ります! (2020年1月15日 0時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - リクエスト失礼します。もしもの話で「天国で5人が再会したら」と「りくやが本丸に遊びに来たら」という内容のものをお願いします。 本編の方も何周も読みました。とっても大好きです。いつまでも更新楽しみに待ってます。よろしくお願いします。 (2020年1月12日 10時) (レス) id: 1d5253b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ベルさん» ありがとうございます!頑張って更新します(`▽´) (2019年12月18日 22時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2019年4月29日 15時