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ふと、彼女は思い出す。
あの鬼が「キサツタイ」と言った言葉を。
それは、長らく生きている彼女でも聞いたことの無い言葉であった。

一体何を指していたのか、更に考えている審神者に痺れを切らした髭切が彼女に言う。


「深く考える前に、山姥切たちを呼んでから話し合うのはどう?」

『…そうね、そうしましょ』


我に返った審神者は、一つ息をついて髭切に彼らを探知して欲しいと頼む。
目を閉じて神経を研ぎ澄ませたと思うと、眉を八の字にして苦笑する彼。


「近くから弟丸達の神気は感じないなぁ〜」

『となると、呼び寄せた方が早いね』


Aは呪を唱えると、大きく手を合わせた。
その刹那、彼女を中心に光の波紋が広がってゆく。


『…おいで』


優しく囁けば、二方向から二振が光を纏って彼女へと飛んでくる。
その刀はAの目の前にフカフカと浮かび、触れられるのを今か今かと待っているかのようだ。


『膝丸、山姥切』


優しく声をかけながら、撫でるように鞘に触れればたちまち花弁が舞い、二振が姿を現した。


「…主っ!」

「大丈夫か!」


二振の顕現に成功したものの、当の本人は何故か辛そうに顔を歪め、大きく深呼吸を繰り返した。

二振を顕現するだけで、ここまで霊力が消費する様に、彼女はある事に気づいた。
自分の霊力が本丸に繋がっていないと。
それはつまり、政府を経由した霊力増大装置が機能していないことを示す。

嫌な予感が審神者の中で渦巻く。

審神者自体が過去に赴いたとしても、装置が機能しないはずが無いのだ。途切れたという事か示すことはただ一つ。

ここは歴史改変され、放棄された世界ではなく別世界(・・・)だということだ。

なんて事だ…仮にそれが事実なら、政府からの救助はほぼ不可能に等しい上に、帰る手段すら考えもつかない。


「主、どうした」


黙り込んだ主を心配した山姥切が、彼女に問いかける。


『大丈夫よ…少し厄介なことになったと思ってね』


二振を見て、無事で良かった。と胸を撫で下ろす彼女だが、辺りを見回しても薬研の姿だけは見られなかった。

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都花 - 「五人は仲良く手を繋ぐと、眩しい程の光の中へと消えていった」で涙がが出た…この話とても好き…! (2020年8月31日 23時) (レス) id: e0ab5d8073 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 鬼滅とコナンと刀剣のクロスミックスかぁ。面白い (2020年4月28日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ましろさん» リクエストありがとうございます。期待に添えるように頑張ります(^-^) 本編の方も何周もして頂きとっっても嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張ります! (2020年1月15日 0時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - リクエスト失礼します。もしもの話で「天国で5人が再会したら」と「りくやが本丸に遊びに来たら」という内容のものをお願いします。 本編の方も何周も読みました。とっても大好きです。いつまでも更新楽しみに待ってます。よろしくお願いします。 (2020年1月12日 10時) (レス) id: 1d5253b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ベルさん» ありがとうございます!頑張って更新します(`▽´) (2019年12月18日 22時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2019年4月29日 15時

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