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Aの蹴りを見事にくらった男は、腹を抱えたまま地面にうつ伏した。
反対側にいた男に、彼女は出遅れた。
刃物を横に振る男から距離を取ろうとする…が。
グラッと体制を崩すA。
目の前には不気味に口角を上げ、彼女に向かって刃物を突き出す男。
刺される。そう思った刀剣男士たちは、主を救おうと走り出す。
だが、間に合わない。
「っう゛」
ドサッと目の前の男は崩れ落ちた。
驚いたAがその男を見れば、床でいびきをかいているではないか。
ふと、彼女が視線を上げればコナンが腕時計型麻酔銃を構えていた。
得意げに口角を上げたコナンとAの目線が合うと、コナンは慌てた様子で腕を後ろへ隠し、子供特有の笑顔をむけた。
そんなコナンに、Aは柔らかく笑った。
その数秒後に、警察官達が突入し三人の犯人達はお縄となった。
彼女は、刀剣男士たちから潜伏していた遡行軍を殲滅したと報告を受けていた。
担当の刑事が、Aに事情を聞こうと歩みよった時、銀行の前の道路に一台の黒塗りの車が止まった。
「A様あああああああ!!ご無事で!」
何人もの警察官を潜り抜け、彼女の腕にしがみつく男……陣内が涙を浮かべてAの無事に全力で安堵していた。
『陣…内さん。どうしたんです?』
「向かわれた銀行で、銀行強盗があったと聞き……はっ!お怪我は!?」
『特に無いけど…』
よかったぁ、と更に安堵する彼にAは苦笑いを浮かべる。
その空気の中、一人の刑事が近寄ったが、陣内が事細かく説明し、Aも事件の様子を伝えれば感謝を述べられる。
その刑事に頭を下げると、一角で騒がしい事を発見したA。
「お前本当にいい加減にしろ!!」
「嫌だあああ!!僕はまだコナン君と一緒にいるんです!!!!…はっ!このままずっとこの時代に!!!」
「え、嫌だけど」
「そんなぁ!!じゃあ、せめて僕の事を毛利お兄ちゃん…いや、毛利お兄たんと!!!」
コナンの腕を掴んで離さない毛利を引っ張る包丁。
それを呆れ顔で見つめる秋田。
当のコナンは、苦笑いを浮かべ必死に毛利から離れようとしていた。
『こらこら、毛利。もう帰るよ?』
「嫌です!!せめて、毛利お兄たんと聞くまでは!!」
それから数時間、満足するまで毛利が離れなかったのは、言うまでもないだろう。
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都花 - 「五人は仲良く手を繋ぐと、眩しい程の光の中へと消えていった」で涙がが出た…この話とても好き…! (2020年8月31日 23時) (レス) id: e0ab5d8073 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 鬼滅とコナンと刀剣のクロスミックスかぁ。面白い (2020年4月28日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ましろさん» リクエストありがとうございます。期待に添えるように頑張ります(^-^) 本編の方も何周もして頂きとっっても嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張ります! (2020年1月15日 0時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - リクエスト失礼します。もしもの話で「天国で5人が再会したら」と「りくやが本丸に遊びに来たら」という内容のものをお願いします。 本編の方も何周も読みました。とっても大好きです。いつまでも更新楽しみに待ってます。よろしくお願いします。 (2020年1月12日 10時) (レス) id: 1d5253b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ベルさん» ありがとうございます!頑張って更新します(`▽´) (2019年12月18日 22時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2019年4月29日 15時