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「…という訳です。」
『は〜。なるほど…とりあえず、ハッキングの件は…うん、私の方から適当に言っておくよ。』
苦笑する初代に、すみません。と頭を下げる大和守。
何気なくハッキングした鏡花だが、実は政府内で大問題になっていたそうだ。
しかも初代の情報となれば、どんな状況だったかは察しがつくだろう。
『それで、君はまた元の世界へ帰りたいの?』
コクリと頷く彼女に、初代は目を細めて悲しそうに目をつぶった。
その行動に鏡花は眉をひそめた。
『…今回ばかりは無理。』
「えっ」
『どう見たって、君の体には一つの魂しかない。前回は、何かの拍子で混じっちゃった。っていう感じだったけど、今回は…そうね……転生。に近いかな。』
「転生…」
『うん。とどのつまり、君は大和守安定であって、大和守安定じゃない。鏡花ちゃんであって鏡花ちゃんじゃない。』
初代の矛盾した言葉に、鏡花は頭を傾ける。
『ん〜、魂自体は大和守なんだけど、どこぞの神がサボって前世の…鏡花ちゃんの記憶を狩りそこねたとしか考えられないんだよね。』
つまり、初代が言いたいのは、本来なら大和守安定としての人格を入れるはずが、泉鏡花の記憶を狩り損ねたため、人格は泉鏡花のまま。ということだ。
「でも、前回と同様に能力とか、力とか…普通じゃない。」
『それは、天照大神も言っていたように、君と大和守の相性が良いんだと思う。うまい具合に同調してるんだよ。』
「じゃあ、これはずっとこのまま…?」
『どうだろうな…前例が無いから何とも言えないけど、もしかしたら転生したばかりだから。というのも有り得る。』
化学反応だって、永遠とは続かないでしょう?
と淡々と答える姿に、太宰や森を思い浮かべた鏡花。
『こればかりは経過観察としましょう。君の本丸の主殿には私から話を適当に付けておくから。』
「お願いします。」
早く、慣れるといいね。と笑顔で言う初代に、鏡花は頭を下げて本丸を出た。
この異様な体質から、早く別れを告げたい。そう思いながら。
普通の刀剣男士ならいい。けど、圧倒的な体術や異能力は他とあからさまな違う何かを連想させられて、鏡花は自分自身に嫌悪を抱いた。
Aもまた、陸也に目をつけられる前に解決したいと、少し焦りを感じていた。
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リクエストありがとうございました!
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都花 - 「五人は仲良く手を繋ぐと、眩しい程の光の中へと消えていった」で涙がが出た…この話とても好き…! (2020年8月31日 23時) (レス) id: e0ab5d8073 (このIDを非表示/違反報告)
絵理奈(プロフ) - 鬼滅とコナンと刀剣のクロスミックスかぁ。面白い (2020年4月28日 8時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ましろさん» リクエストありがとうございます。期待に添えるように頑張ります(^-^) 本編の方も何周もして頂きとっっても嬉しいです!ありがとうございます、更新頑張ります! (2020年1月15日 0時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - リクエスト失礼します。もしもの話で「天国で5人が再会したら」と「りくやが本丸に遊びに来たら」という内容のものをお願いします。 本編の方も何周も読みました。とっても大好きです。いつまでも更新楽しみに待ってます。よろしくお願いします。 (2020年1月12日 10時) (レス) id: 1d5253b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - ベルさん» ありがとうございます!頑張って更新します(`▽´) (2019年12月18日 22時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2019年4月29日 15時