検索窓
今日:16 hit、昨日:34 hit、合計:161,829 hit

168 決戦の狼煙 ページ39

『各四部隊はそれぞれの配置での戦闘準備。彼が単独で来ることは有り得ません。どこかに遡行軍が潜んでいる又は出現する可能性が高いでしょう。』

「心得た。」

「主はどうするつもり?」


加州が静かに問う。
その瞳には怒りの炎が宿っていた。

Aに対してではなく、陸也に対してだ。


『…この命と引き換えにしても、彼を止めなければなりません。』


一切目線を外さずに答えるAの姿に、一同は何も言い返せる訳もなく、全員が目を見開いた。


「……分かった。」


四振りの中で、重たい空気が流れる中口を開いたのは加州だった。
その彼にAはありがとうと返す。


『皆の健闘を祈る。散。』


その言葉を聞き届けると、一同は頭を下げて瞬時に消える。

すると、後ろから誰かが歩み寄る気配をAは感じ取る。
ゆっくりと振り返れば、そこにいたのはやはり陸也だった。


『…陸也』

「なぁ、お前はこの世界が可笑しいと思わないのか?生きとし生けるもの全ての命は、この世界の神によって支配されている。神が気に入れば生かされ、邪魔だと思えば消される…俺達の意思など存在しない。お前の言う運命ってのも、同じ事だろう?」

『我々人類は自分たちで発生した訳では無い。ただ単に生かされていただけなのよ?』

「…はっ、なら、お前は理不尽に神に殺されてもいいって訳か。」

『…少し違う。神は見守るものであって、あくまで我々を殺すのはこの、世界(・・)だよ。まぁ、それすらも神と程近く、違いが無いのも事実だけども。』


淡々と表情一つ変えずに言うAに、陸也は目を見開くと乾いた笑いを浮かべる。


「ああ、そうかよ。やっぱり決裂するんだな。」


パチンと指を鳴らすと、青い炎の玉が彼の周りに浮かび上がる。
それを見たAは咄嗟に印を構え、睨みつける。


「俺ら、どっちが正しいんだろうな?」

『さぁね。…私にも分からない。』


苦しそうな顔を浮かべる二人。
二人の間を風が吹き抜け、止んだ刹那陸也は動き出した。
手を前へ突き出せば、必然的に飛び出す火の玉。

それをAは素早く呪を唱えて、消し去っていく。
攻防戦が続く中、彼女は問いただす。


『君が事前に敷いた罠、私をおびき出す他に、何か利益となる目的もあったのでしょう!?』


Aが火の玉を消していく中、陸也もまた火の玉を量産していく。


「へぇ。やっぱ気付いた?」

『愚問ね。』

169 真実→←167 合理的判断



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (231 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1427人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます!!!! (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました!ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます!お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました(^ν^)ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです!いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年9月29日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。