163 内密に ページ34
翌日
「主はん、どちらへ?」
早朝の本丸で、厳戒態勢とはいえこの時間に起きている刀剣男士は限られている。
だが、Aは玄関であっけなく見つかった。
声をかけたのは、明石国行。
「そないな格好で。」
『あ〜…ほら!散歩!うん、散歩だよ!』
いつもの着物とは打って違い、淡い色のワンピースに肩掛け鞄を持つ主に明石は疑問を抱く。
実の所、Aはひっそりと二千十七年へ偵察に行こうとしていたのだ。気づかれる前に帰ってくるつもりだったのだが…
いや、相手はあの明石だ。
なんとか丸く収める事が出来るはずだと、謎の自信が湧く彼女。
『直ぐに帰ってくるから、皆には内密に…ね?』
彼はふわぁと大きな欠伸をすると、分かったと言い、本丸内へ歩き出す。
明石は朝が弱くて助かったと、心の内で安堵する。
『さて、出発!』
気配を消して、静かに門をくぐる。
目を開ければ、二千十七年の米花町。
社を見れば、土地神の気配は無く頼んだ通り、コナンに付いていてくれたのか。と自然と笑みが零れる。
こちらへ送っている四部隊の気配を辿り、会場へと向かい始めた。
この時Aは、これから再び起こる悲劇など考えてもいなかった。
会場へ到着すれば、溢れるばかりの人人人人人。
思わず、うわぁと声が漏れる初代。
とりあえず、チケットを買い入場列に並ぶ。
受付で貰った案内図を見れば、聞いていた通り広い敷地で、下の方を見れば鈴木財閥と書いてあり、流石の一言に尽きる。
どこから周ろうかと考えていた時
「…Aさん?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
ゆっくりと振り向けば、やはりあの子だった。
『コナン君…』
「なんでここにいるの!?」
『それは私の台詞…』
まさかの再開にどうしよう、と思っているとさらに後方からパタパタと走ってくる子供たち。
「あーー!あの時のお姉さんだ!」
「凄い偶然ですね!!」
『ああ、あのパーティ会場の時の…』
あの時はごめんなさい!と一斉に頭を下げ出すもんだから、周りから目立ってあたふたと慌ててしまう。
「こぉら!!ガキンチョども!!勝手に行くなってあれほど……ってあら?」
「ああ!パーティ会場で眼帯の人といた!」
『ああ、光忠に写真をお願いしてた…』
Aは、茶髪ボブの子と黒髪ロングの子には見覚えがあった。
まさか、また出会う事になるとは。
Aが手に持つチケットを見た瞬間、目の色を変えた。
「よければ、一緒に入りませんか!?」
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (5月1日 3時) (レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます!!!! (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました!ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます!お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました(^ν^)ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです!いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年9月29日 22時