161 嫌なメンツ ページ32
『お待たせしました。』
重い扉を開けば、長い机にそれぞれ五つの椅子。
そこに腰掛けるは五冠と謳われる審神者達。
言わばトップ5。初代でも気を抜けば、殺されかねない力を持つ。
各審神者の隣には、護衛の刀剣男士が一振着いている。
Aも本来は一度本丸へ帰還し、改めて参加したかったのだが、時間の都合上ボロボロの二振りを連れていくしか無かった。
それを見て、五冠達が貼り付けた笑顔の裏で嘲笑っているのが、初代にはひしひしと伝わってきていた。
「お忙しい中お呼び立てして申し訳ありません。」
『違法運営本丸の件かしら?』
「話が早くて助かりますわ。」
初代は所定の位置へと座り、ようやく会議が始まった。
「今回、逮捕者は八十二件。謹慎者は百人に上りました。」
「違法運営本丸は年々増加の傾向を辿っています。何か策を練らなければいけませんね。」
「初代様は何か案がございますか?」
今迄戦わせておいて、いきなり改善策を振る嫌がらせに、物吉が五冠を睨みつける。
それを初代は片手で静止させる。
「……申し訳ありません。」
『…今すぐには難しいでしょうね。』
「まぁ。初代様とあろう方が…」
「それほどこの案件は難しいという事ですね。」
「皆様、あまり初代様を責めてはいけませんよ。」
「そうですわ。初代様はお疲れのご様子。」
「無理をさせては我々がお叱りを受けますよ。」
おほほほほと笑う者、クツクツと初代を見ながら喉で笑う者。
嫌味の雨に初代は目を細め、溜息をつきたくなる。
けれど、そんな事すれば火に油を注ぐも同然。
彼女は堪えて、口を開く。
『では、違反者への処罰はどうするつもり?』
「そうですね、我々五冠は記憶を消すのは勿体ないと思うのですよ。」
『…なぜ?』
「今回逮捕された審神者の内、約八割は無くすには惜しい人材。それは初代様もお分かりのはずでしょう?」
『確かに、その通りね。』
「なら、この様な処置はどうでしょう?今回逮捕された審神者全員にカウンセリングをし、異常が見られない者だけ審神者に復帰するというのは。」
『はぁ…異常があったから逮捕されたのでしょう?カウンセリングでどうこうなる話かしら?』
「…初代様は反論しかなさいませんね。」
『反論あってこその会議でしょう?』
初代の的を射た言葉に、グウの音も出ない五冠。
だが、その内一人が口角を上げた。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます!!!! (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました!ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます!お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました(^ν^)ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです!いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年9月29日 22時